■DARKER THAN BLACK -黒の契約者-01契約の星は流れた…(前編)s&c&d岡村天斎 g小森高博

◇「あれがこの街に出現して10年。・・あの壁がなかった頃の景色を思い出すのは難しい。・・その時、何が起きたのか、あの中に何があるのか、誰にも分からない。・・・我々人類に出来たことは、あの高い壁を作り、全てを覆い隠すことだけ。・・・通称、ヘルズゲート・・・」
「<契約者>と呼ばれる異能力者、<ドール>と呼ばれる受動霊媒の存在が初めて確認されたのは、・・・アレの出現した一週間後だったという。」


◇都市の中に、誰ものぞけない異郷があり、その異郷と関わりがある何者かと契約を交わして異能力を手に入れた<契約者>。彼らは、能力を使うたびに、契約相手に対価を払わなければならないらしい。(この回は、重力を遮断する能力者が出てきて、指折ったりしてます・・・・うへえ)
どうやら、彼らは必ず犯罪と関わりがあり(あるいは、恣意的に犯罪と関連するように思わされている?)、警察に追われる存在である。そして、彼らの存在と活動は天体に反映され、その動きを把握し先手を打つ為に、警察には「天文部」がある。


◇・・・・・という、魅惑の謎めいた状況と設定から語り出される物語。特に、天体現象とのリンクが個人的にはポイント高い。
だけど、(おそらく演出意図なのでしょうが)、その奇態なはずの「壁」のビジュアルは、リアルな背景画に埋没し、天体がらみの魅惑の設定を含めて、ほとんどの設定は言葉で語られすぎです。(天体連動については、さりげなく描写されてはいます。)また、主人公たる異能力者は、(二重人格なのか、地味に日常をおくるのが処世術なのか)冒頭で残虐な一面をのぞかせた後は、地味な日常を生きているように演出されてます。


◇前番組のコードギアスとは対照的に、堅実に地味に物語を積み上げていく手つきは非常に好感触。だけど、もう少しケレンがあったほうが、いいんじゃないかなあ。
この回は「前編」だし、次回、「世を忍ぶ仮の姿」タイプのケレンが爆発することを期待してもいいかしら。毎回話が激変するコードギアスをスタンダードとして、比較するのが間違っている気もカナリするけれども。


◇ところで、岡村天斎監督&BONES&管野よう子音楽と来ると、某狼モノの地味過ぎーる作りを思い出してしまいますが、今回は、原作が監督自らなので大丈夫?


◆◆以下メモ◆◆
・ところで、Bパートの、主人公の地味なように見える日常は、目的があって、冒頭で敵対「契約者」から手に入れた「壁の向こうの秘密を握る女」の動向をさぐる行動だった。彼女の行方を巡って、警察、及び謎の組織と対峙していく・・・というのが、この回と少なくとも次回のメインプロット。


・主人公の闇の活動について、警察のヒトが言ってます。
「天文部の報告によると、その時間に活動が確認された星のナンバーは、BK201。・・未確認のナンバーです。(・・・)関与したとされる案件の全てが未解決。害者の死因、能力の実体、何一つわかっていません。」


・対する警察は、「契約者」犯罪専門の「公安部外事四課」という組織。
・警察、謎の組織、主人公が、三つどもえで追うのは、「「国立研究所からパンドラの中枢に不正アクセスを仕掛けて持ち出された機密情報」を持つ女。」
・女は、「篠田チアキ26歳。ゲート内の物理特性に関する論文で修士号を取得。卒業後、国立研究所に勤務。二週間前から無断欠勤。現在の所在は不明です。」
・でも、キャバクラにいたのでした。


・あと、警察の上官曰く、
「ゲート関連情報の流出は国家の安全の危機に直結する。証人が生きたまま敵の手に落ちるようなことはあってはならない。・・・わかっているな。」
・また、↓だそーです。
「契約者と接触のあった一般人はその記憶を削除される。契約者に関する情報の一切は最重要機密だ。・・だがそこまでしても噂は止められない。」