■MOONLIGHT MILEムーンライトマイル03ラストスイングs遠藤明範c鈴木行d岡崎幸男g催宇植

あらゆる意味で、センスがマッチョだねぇ。ひよひよの私には、ツライものがあります。
この回をみていて絶えず思い浮かんでいたのが、さいとうたかを先生のゴルゴ13そのもの。


◇まずは絵的な面。
さいとうたかを的な、リアル指向のマッチョなキャラクターデザインは言うまでもないが、さらに、さいとう先生と同じく、一枚絵としては十分なんだけれども、「動き」を感じさせるのがどうも上手くいかないみたい。
一番目立っていたのが、吾郎と、吾郎の恋人の弟にして、この回のサブ主人公である黒人の宇宙飛行士が、砂浜のマラソンで意地の張り合いをするところ。
ゴツゴツした不自然な動きになっていて、これは今までの回も同じ印象なので、この回だけの特異現象ではないみたいだと思いました。
ひょっとすると「筋肉ムキムキのキャラクターデザインが動きを規定する」という、現象の発見かもしれないので見守ってみます。


蛇足ですが、同じWOWOWで同時期にやっているライディーンなんかは、(今のところ)この辺が(は?)すごくて、人間を走らせると重力を感じさせる匠の作画が頻出しています。


◇次が話。
まず、今までもそうだったけど、むやみやたらと、如何にもオヤジが好きそうな、マッチョなセックスをさらりと映します。これってサービスシーンなんだろーか。いやむしろ、このキャラクターデザインじゃ(個人的には)見たくないす。このイヤーんな感じがゴルゴ濃度を上昇させている気がする。


次に、誰も真似できない神業で、わかるヒトしか分からない状況で、偉業を達成するという物語構造。基本的に、(すみません!言葉が悪いのだけど)オナニー構造。前回も、この回も、構造的には同じなので、ずーっとコレでやっていくのかしら・・・と若干不安に。


こういう構造は、もちろん嫌いじゃないけど、これは人間関係のそれなりの描写と、エピソードの積み上げとセットになっていないとツライものがある。
この回、子持ちの黒人の食堂のおねえさんとの期間限定の恋人関係がそれに相当するんだろうけれども、そのおねえさんの弟のピンチを助けるという分かり易すぎる一話完結の構造がミエミエで、若干ツライ気がしてしまいましたよ。


それから、宇宙を、人間ドラマを脇に置いて、情報的(即物的)に扱おうという手つきも、ゴルゴっぽい。


◇まとめると、「女」、「胸のすく超人的な成功物語」、「情報もの(あれ?SFだから情報はないか?他にいい言葉があるかしら?まあいいや)」。・・・・うああぁぁ、オヤジが好きなもの3点セットですか。
なんだか、無茶苦茶書いていてごめんなさい。
今日は、筆の調子がわるく、ヨッパライ並のひどい言いがかりを書いてしまった。伏してお詫び致します。(なんだか、イヤなら見るな!という良く聞く幻聴が聞こえてきましたよ。)