■コードギアス 反逆のルルーシュ14ギアス対ギアスs大河内一楼c杉島邦久d馬場誠g金成茫総g中谷誠一

◇シャーリーが、<ゼロ>の正体をルルーシュだと確認した前回からの引きを引き継いで、次の瞬間に一体どんなドラマが起きたのか?ルルーシュが昏倒していた周辺の血だまりは一体何か?シャーリーは生きているのか?
前半は、前回の引きに直結する描写をスキップして、描写が省かれた「流血の事態」で気を持たせる構成。


だけど、シャーリーの生存が早々に明かされてしまい、では血を流したのは誰かという興味で繋ぐのかな・・・・と思ったら、Aパート終盤にはネタを明かしてしまった。
個人的には、シャーリーの生死不明で後半まで引っ張った方がよかったんじゃないかしらとも思ったけれど、主題的にはシャーリーの退場を脚本的に決めた上で、彼女の矛盾した心(父を愛し、ルルーシュを愛すが、父のカタキはルルーシュ)を描きたかった回みたいなので、これでいいのかしら。


◇しかし、肝心カナメのシャーリーの葛藤が物足りない。
「父を愛し、ルルーシュも愛すが、父のカタキはルルーシュ」という(ネガティブ愛好家としてのワタシ的には)魅惑の構図を、彼女は、論理的に突き詰めることもしないのですよ。


シャーリー的には、父との関係より、ルルーシュとの関係の方が、圧倒的デフォルト上位にあるようなのは分かるのだけど。
しかも、途中から、「ルルーシュが父を殺した」という思いがどっかに放り投げられちゃって、「自分がヒトを銃で撃ったこと」の方が、想念の上位に来ていたりする。


マオくんじゃないが、「なんだよ・・・この女。考えがぐちゃぐちゃだ。」と、わたくしも思ってしまいました・・・・。シャーリーに共感しているヒト、ごめんなさい。


◇ところで、「シャーリーの記憶をなくすオチ」は、やるかなーと思っていたけれども、彼女から、ルルーシュの存在の記憶まで奪うというのは予想外。
このまま、彼女が、自宅に帰ったり、学園生活に戻ると、必ずや記憶喪失の大事件として、日常に波風が立つことは必定。<自分の存在だけを忘れている女>が、日常生活の隣にいたら、ルルくんの立場はやばくなる。


ルルくんがそんなへまをするわけがないので、シャーリーには、「このまま、国内か国外の親戚の家あたりに、誰にも告げることなく去っていけ」みたいな命令をしているんじゃないかな。
もしそうならば、ラスト、感傷に浸るルルーシュだけど、実は、恐るべき冷酷な計算家なんだよね。


◆◆以下メモ◆◆
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・冒頭、シャーリーの生存を確認できていないルルーシュは、彼女の部屋を泥棒の如く漁るよりも前に、シャーリーの携帯電話に電話したり、ヒトに居場所を聞いたり、その所在を必死に探るのが自然なのでは・・・・・?と若干思った。
だけど、ルルーシュの<ギアスの力>で部屋の前で見張りをさせられている、彼女と同室のクラスメイトは、この直前の描写でシャーリーの生存を知っていたはずなので、(直接の描写はないものの)生存は確認しているわけなのか。・・・・いいのか?・・・いや、なんか不自然な構成のような・・・・


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・マオくんは、自分に優しい言葉をかけてくれた、昔の<シーツー>の(らしき)声をイヤホンで繰り返し、繰り返し聞いているサイコなヒトであることが判明。
「シーツー!やっぱりそうか。・・・ようやくあえた、君に!・・・本当の君に!」


・恋していると言うよりは、シーツーを母に見立てた、超マザコンな人物造形な気がした。しかも、刷り込み系。
「マオ・・・お前がヒトの群れの中にでてくるなんて。」


・<シーツー>が今ご執心なルルーシュに嫉妬してます。彼の行動は嫉妬が原動力。
「泥棒猫にはこういう死に方が相応しい」


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・海辺のテトラポットの影に、<ゼロ>の正体を見て、シャーリーに撃たれ、マオに放擲されたらしい、ヴィレッタさんを見つける扇さん。
・前回の日本解放戦線の船の爆発も疑っている扇さんが、そのうちドラマの中心に来そう。ルルーシュに消されちゃうのかな?
・このシリーズは、次々に「不都合になった仲間を消していく」プロットが頻出しそう。