■シュヴァリエ19紅に染むるまでsむとうやすゆきc古橋一浩d鏑木ひろ古橋一浩g千葉崇洋下村一千葉崇明

◇うわわ、シュヴァリエなめていた。まさか、デュラン様が、こんな無惨な。
しかも、一度助かるかのように気を持たせた後、絶望の淵に突き落とす演出があざとすぎる。かなり、意表をつかれてしまった。


今までのノリだと、仲良しクラブ。裏切っても、裏切られても、腕の中、最後は分かり合って、お互い涙に濡れて、せめて綺麗な顔で死んでいくモノとばかり・・・・・
醜く水銀漬けの姿に変化していくデュラン様のいたわしいこと。今まで18話積み重ねてきた明朗剣士のキャラクターが、化け物に侵蝕されてしまう、その惨めなこと限りが無い。


◇しかし、デュランに<nqm>の刻印をし、「詩」の力でその性質を縛り付けたのはだれだろう。
第16話「魂の行方」のBパート冒頭で、イギリスの獄に繋がれたデュランが、ルイ15世の命令書(王家の詩を手に入れた後、デュラン以外を抹殺せよ。)を諳んじ、忌々しげに左鎖骨のあたりに刻まれた<nqm>の刻印を見つめるシーンがあります。
ということは、ルイ15世の意志で、デュランの裏切りを封じるために、あらかじめ刻まれていたのではないか。
デュラン自身も、それがある故に、(自分の命と引き替えでなければ)王の命令に逆らえないことを知っていて、だからあんなに苦悩していたのではないかなと思ってみたのだけどどうかしら。


だけど、この回、一旦はリアの「詩」の力で正気に戻りかけたデュランを、再び水銀漬けのガーゴイルに変化せしめたのは、マクシミリアンの亡霊だったりするので、デュランを仲間にする交渉が決裂したマクシミリアンの、デュランへの冷酷な決別の術だったのかもしれない。


あと、見たまんまだと、上記二つの合わせ技ってのはどうかしら。元々ルイ15世の意志で、デュランに内蔵されていた「詩」が発動し、それをリアが押さえつけたのだけれども、マクシミリアンがトドメをさしたみたいな。


◇次回あたり、第17話「メドメナムの地へ」のAパート終盤のデュランの仮釈放のシーンで、弁護士に託された手紙(仮釈放から戻らなかったら開封してくれ)で、この惨劇の真相が明らかになるような気もするが・・・。
あー、すっきりしないっ


ところで、前回、デュランが、暴走するリアの唱える「詩」に過剰に反応し、ダッシュウッド卿の取り巻きの詠唱に苦悶していたのは、この<nqm>のせいだったんじゃないかと思いついた。。。


◇しかしねえ、(私の思いこみが正しいとして)ルイ15世がこんなワルだとは。
デュランのガーゴイル化はともかく、デオン以下を抹殺せよとの王命は、紛れもなくルイ15世の命令であったことが、この回、ルイ15世とブロリーとの会話で演出されていますし。
今までの優柔不断ぶり、回りに対しての弱腰の様子、とても一国の支配者には見えなかったのだけど、その性質を顕わにすることで、終盤に向けてのラスボス化するのでしょうか。


◇だけど、デュランには悪いけど、いままで、(マクシミリアンも復活するし)どうせ誰も死なないだろうという、だらーっとしていた劇中の雰囲気が、これで一挙にしまったんじゃないかしら。
この後の、怒濤の惨劇展開を、ものすごーく期待してしまっているワタシなのでした。(趣味悪くてごめんなさい。)


◆◆以下メモ◆◆
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・リア=デオンによって、紐解かれた「王家の詩」の一部を聞いたテラゴリー先生。
「汝か・・・・・妙だな。代々の王が発した言葉を書き留めたと言うよりは、まるでその書物に記された言葉に従って統治せよと告げているような・・・」


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カリオストロとロレンツィアと馬車にのっているマクシミリアンが述べる。
「王家の詩は、無事、リアの手に渡ったのだ。」


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ブロリー伯爵とルイ15世の対話。
・↓このルイ15世との対話。始めからデュランに3人を始末させた後、デュラン自身も亡き者にしようとしていたことが伺えます。
「ゲルシィ伯爵からは、陛下の詩をデュランが大層ほめていたと。」(ブロリー
「そうか・・・失うには惜しい四人だ・・・・・」(ルイ15世)


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・この回Aパート後半、夜のロビンとデュランの対話。ロビンのことを始めて名前で呼んだり、<nqm>の懐中時計をロビンに渡したり、死亡フラグ立ちまくりで、表情のニュアンスある作画相まって、二度目みると泣けてきます。


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・ゲルシィの執務室で、デュランに語りかけるマクシミリアン。「王家の詩」について。
「それは王となるべきものを定める書。言葉が先に現れる。・・すなわち言葉が王を決めるのだ。」


・デュランに仲間になることを求めるが、拒絶されるマクシミリアン。拒絶されたマクシミリアンは、「手に入らないのならば、いっそのこと殺してしまえ・・・」ってカンジの展開なのかな。
だけど、デュランに縋り付かんばかりのマクシミリアンが、次のシークエンスで、デュランに引導を渡すというのは、ちょっと違和感があるかも。そうゆーキャラクターなのかも知れないけれどもさ。


「リアを殺したのは私ではない。私もまた、その真実を求めている一人だ。共にそれを確かめよう。リアもそれを望んでいる。・・私と来い。リアが本当に求めているモノを教えてやる。」(マクシミリアン)
「あの3人を助けることが条件だといったら?」(デュラン)
「彼等から、王への忠誠を奪うことが出来るなら、請けあおう。」(マクシミリアン)


「・・・君のやろうとしていることは無意味だ。デュラン。君は既に、君の王を裏切っている。・・・己の首を捧げ、その罪を帳消しにしたところで、守られた仲間達も、また忠誠の名の下に殉じていくだろう。・・・それを見越せぬ君ではあるまい。・・・メドメナムの地で、私はリアの魂に触れた。彼女は私に応えてくれた。・・リアの魂が王家の詩に捧げられた時こそ、全ての真実とフランスの未来が明らかになる。」(マクシミリアン)
「それが、アイツの冥福になるとは思えない。」(デュラン)
「君にも分かる時が来る。」(マクシミリアン)
「殺すなら、殺せ。お前に殺されるなら、仕方ない。」(デュラン)
「君にだけは、側にいて欲しいのだ。・・・・ルイは君を殺すぞ。」(マクシミリアン)
「マクシミリアン・・・陛下を、呼び捨てにすることはゆるさん。」(デュラン)