■N・H・Kにようこそ!23岬にようこそ!s西園悟c笹木信作d&g奥野浩行

あー、完璧に展開の誤読をしてた。
岬ちゃんのプロジェクトとは、「サトウくんをメロメロにして一緒に心中」かと、まったく疑いなく思いこんでました。我ながら思考のネガティブさが行き過ぎているな。


それはともかく、「人間として優位にたった地点から、相が変転しないように契約して、傷つけあうことのない恒久の友誼を、サトウくんと結びたい」とゆー、岬ちゃんの自己中心的な思考の暴走はとまらないから、まあ悪くない展開だ。


頼みの綱のダメ人間サトウくんに、共に傷つけあうことなく過ごす事を断られて、岬ちゃんは、自宅の浴室で自殺未遂。(EDで手首に包帯巻いているし。)
そして、運ばれた病院から失踪し、幼いころ、母親が身を投げるのを目撃することとなったトラウマの地、日本海の故郷の岬へ向かう。


残された病院のベッドには、誰か追ってきてくださいとばかり、目印のついた時刻表が残されている。
・・・・もうこうなったら、地の果てまで追いかけるしかない!サトウくんの疾走に、被さる音楽がステキだった。


◆◆以下メモ◆◆
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・岬ちゃんの乾坤一擲の弱い心の告白。
「サトウ達広を甲、中原岬を乙とし、次の通り契約する。
一、甲は、乙を嫌いにならない。
二、つまり甲は乙を好きになる。
三、ずっと心変わりをしない。
四、いつまでも心を変えない。
五、淋しい時はいつも側にいてくれる。
六、といっても、乙が淋しいのはいつものことなので、つまり甲はいつも側にいる。
七、そうすれば、人生はたぶんいい方向に進む。
八、苦しいことはなくなると思う。
九、約束をやぶったら罰金一千万円。」


・サトウくんが、その絶叫に近い申し出を拒絶したのは、まず、岬ちゃんに、ダメ人間として見下ろされているずーっと続いている構図が、プライドを刺激したことと、そして、そもそも、やっぱり自分はダメ人間なのだという自覚でしょうか。


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・サトウくんは、物語的な最後の見せ場の為に、ダメ人間を脱出。
・仕送りを断たれ、働く気力もなく過ごしている中で、食糧も尽きた果てにあったのは、死にたくないとい切望だった。そこから出発して、働くことにたどり着く。


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・岬ちゃんの母は、再婚相手に足蹴にされる生活を送り、(確証はないと語られるが)岬ちゃんの目の前で岬から投身自殺。残された彼女は、飲んだくれの義父のもとでひどく暴力的な生活を送ってきたらしいです。


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・時刻表に悲劇のランナー円谷幸吉の遺書を引用した遺書。
「三日とろろおいしゅうございました。だから、皆さん、さようなら」