■コードギアス 反逆のルルーシュ06奪われた仮面s大河内一楼c村田和也d工藤寛顕g高橋晃総g千羽由利子中田栄治

◇・・・・・学園猫騒動。ルルーシュの「仮面」が無邪気な猫に奪われる。自分の正体がばれることを恐れた彼が必死に追いかける中、能天気な女生徒会長の画策で、学園中が悪ふざけをして猫を追いかける話・・・・・


この良くある「学園パラダイス」妄想とも呼ぶべきノリには、(ワタシは)ついて行けないです。生徒会のメンツが、学園パートの主要キャラクターなので嫌な予感はしていてたんだ。
エピソードとしては、転校してきた、クロビス殿下殺害の容疑者スザクくんが学園生活にとけ込めるように配置したカンジなのかしら。


◇ところで、まったくもって余計な話だけど、エリア11の租界に住まう人々-この学園の生徒とその家族も含めて-は、一体どういう立場で、エリア11=日本にいるのかなーと思った。
占領地の支配のために本国から配置されている軍事組織や行政府の人々とその指導者である政治家、貴族たち。
また、それらの生活をまかなうための商人やサービス業のひとびと。あるいは、植民政策で、エリア11に移民してきた人々もいるのかもしれない。


いずれにせよ、わざわざ未だゲリラが跋扈する危険な地域へやって来たわけで、軍事組織や、政治組織、行政組織、大企業の上層部においては、次の出世を狙うひとびとと、左遷されてきたひとびとに大別される気がする。(「貴族の血脈」を後生大事にしている「帝国」のようだし・・・・)
また、行政府の末端とか、大企業以外の民間会社や社会システムの末端のひとびとでは、これは明瞭に本流からはずれたところにいる人々が多いのかも。
いってしまえば、いつでも捨て駒にできる存在、代替可能な人々がここに、危険だけどもおまえら死守しろと言われて日本に駐留しているのではなかろーか。(民間会社には、リターンの大きな利権が供与されたりとか。)


しかし、それだと大仰にふんぞり返っている人々の心理があまりに寒くてなんだか可哀想になってくるし、シンプルでストロングを旨とする物語ともマッチしないかも。
そうすると、戦国時代や幕藩体制のように、領主とそれを取り巻く家臣団が代々いて、帝王にエリア11に領地を封じられて、お抱えの業者や家臣団を含めて一族郎党で、移住してきたってのはどうでしょーか。


この物語のアナクロな貴族主義のノリを見ていると、家臣団移住説のほうがフィットするかな。なんだかまったく未来の話には、思えませんが。


◇ところで、皇帝のクロビス追悼の演説が岩本規夫節炸裂で、ものすごくヨカッタ。(なんだか、皇帝のビジュアルも相まって、島本和彦の全力学園とか、炎の転校生とか、そんなノリを想起してしまって爆笑した!)
そのココロは、貴族といえども、徹底的に競わせる軍人国家ってことで、その子息を危険な占領地の支配をさせているのも、そういう意図に沿っているのでしょうね。


だけど、そうすると、ノー天気に高校ライフをエンジョイしているアッシュフォード学園の生徒達がいっそう物語から浮いてしまうのですが・・・・・・・徴兵とか、競争でもっとギスギスしているとか、そんなカンジにならんものか。(・・・済みません、超特殊な個人的な好みです)


◆◆以下メモ◆◆
・「神聖ブリタニア帝国第98代皇帝」って、どこまで未来の話なんだ・・・


・皇帝のクロビス追悼の演説。岩本若本さん好きだーっ
「人は、平等ではない。・・・生まれつき足の速いモノ、美しいモノ、・・親が貧しいモノ、病弱な体を持つモノ、・・・生まれ育ちも才能も人間はみな・・違っておるのだ。」
「そう、ひとは・・差別されるためにある。だからこそ人は争い、競い合い、そこに進歩が生まれる。」
「不平等は・・・悪ではない。平等こそが悪なのだ。権利を平等にしたEUはどうだ?人気とりの衆愚政治に堕しておる。・・富を平等にした中華連邦は、怠け者ばかり。」
「だが・・・我がブリタニアはそうではない。・・争い、競い、常に進化を続けておる。」
ブリタニアだけが、まええ、・・未来へとすすんで・・いるのだ。」
「我が息子、クロビスの死も、ブリタニアが進化を・・続けているという証し。」
「戦うのだ。競い、奪い、獲得し、支配し、・・・その果てに未来がある!」