■桜蘭高校ホスト部25ホスト部解散宣言s榎戸洋司c石平信司d金子伸吾g斎藤英子工藤裕加g補佐稲留和美

ぽつりぽつりと匂わせてきたタマキ先輩の出自が、物語の最後にクローズアップされてきました。
この回は、いつものようなテンポの良いギャグはほどほどにして、タマキの暗い出自と、彼にとって、過去と現在を縛り付ける絶対者たる「おばあさま」との関係について、ちょいと、説明しすぎなカンジで語る回。
ですので、はじけたギャグが少なくて、いつものこの物語らしくないし、また、個人的にはタマキ先輩には、内面は一切ないほうがいいと思っているので、少々困った着地を探っているな、と思っちゃった。


さて、この回のラストで提示された、「タマキ先輩の<究極の選択>」が、この物語の、どうやら最終局面となる模様。
タマキ先輩が、いままで大切に思い、関係を切り結び、心地よく棲んできた「疑似家族たるホスト部」を取るか、この回詳しく語られた、タマキ先輩の暗い出自に関わる重大な要素を含んだ「エクレール嬢との婚約」と、それとセットの「ホスト部の解散」を取るのか。
今回ラストで、タマキは、「エクレール嬢との婚約」と「ホスト部の解散」を宣言したものの、次回は、その天秤が右に揺れ、左に揺れ、さてどちらが重く、自分にとって大事であるかが問われる話になりそう。
まあ、原作は継続しているので、悩んだあげくに何らかの逃げ道が用意されちゃうような気もするけども。


ところで、この話、後半のタマキのおばあさまの「差し金」たる、エクレール嬢の意地悪で濃い、心理的に優位に立った勝ち気な青い瞳ばかりが、目についてしまったが、前半は、桜蘭祭とゆー、この金持ち学園の学園祭での父兄への「ホスト部一般公開」の話。


ホスト部」という部活の意義が、大金持ちの権力者ばかりだという、この学園の父兄の視線に耐えられる強度をもっているか、甚だ疑問で気になって仕方がないけれども、まあそうですかと、見るしかない。
ホスト部の面々だけで閉塞した世界」に「書き割りの女生徒」というこの物語の基本構造には、元来、社会に開いた視線が無かったけれども、そこに父兄が登場したからと言って、閉じた世界が開いた訳ではないし、「書き割りの父兄」が登場しただけだもの。(別に、だから悪いといってるわけじゃないです。閉じた世界の物語は、それはそれで面白いし、この話は、実際面白いし。)


◆◆以下メモ◆◆
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・つくづくバロック風のクラッシックっぽい音楽が、この現実離れした物語に、現実への重力をつけているなーと、思いました。この回は、ギャグが控えめな分、その効果が顕著な気がした。


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・自分たちで作業をせず、業者に指図ばかりしているヒトビトをみて、桜蘭祭の意義についてのハルヒとキョウヤの対話。
「あのー、学祭って、もっとこう、手作り感というか、全部自分たちでつくるものじゃないんですか?」
「それは一般の学校の話だろ。この桜蘭祭で重視されるのは、企画力と統率力だ。ココの学生たちの殆どは将来のリーダーたる資質を期待される。その力をアピールすることが要求されている。」
「・・・はぁ」
・・・・・・・・爆笑。(元々、異様な歪み方をした、妙な学校設定だけど)どこの世界の話なんだーっ


・このあげくが、校内にヴェネチア風ゴンドラ用の水路を造り、船頭さんが漕ぐゴンドラに乗っての、美術部の絵画を見て回る企画だったりする・・・・
・このシーン、エクレール嬢をエスコートするタマキの、ホストぶりを発揮するシーンなのだが、(まじめな演出と裏腹の)あまりのバカバカしさに、爆笑したよ。


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ホスト部を、父兄や一般へ公開するって・・・・・・・そりゃ、お母様連は、喜び、評価するヒトもいるでしょうが、父親がやって来て、一体何を見て、何を感じろと・・・・・・
・そういう意味では、キョウヤ先輩のゲンドウ声の父親がキョウヤ先輩をひっぱたいた反応は、正しすぎる。


・ところで、タマキ先輩の父親は、ハルヒさんのことを女だと知っているんですよね。知らずに、男として口説いていたら、23話のレンゲさんの「ついにあらわれたの!本物が!」とゆー騒動になるか。


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・キョウヤ先輩を平手打ちしたゲンドウ声の父に、タマキ父が声をかける。
「てきびしいですなあ。キョウヤくんは優秀なのに。」
「・・・出来のいい子を四人も持ちながら、あんたはやっぱり欲が深いよ。」
「お話は聞いています。マスコミが騒ぐのも時間の問題でしょうが。まさかやつあたりではないでしょうなあ。」
・・・・なんか、ゲンドウ声の父が、失脚でもする話が次回でてくるのでしょうか。


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・おばあさまの企みを知っているであろう、タマキの父親である理事長が、思わせぶりなことを述べてます。
「我が儘は高くつくものだ。・・普通の人よりも責任ある立場に立つと言うことは、・・好きなこと、・・好きなもの、・・そして好きな人を自由に追いかけられなくなることでもある。」
「これからお前はどうしたい?スオウの家を継ぎたいか。・・・それは難しい選択だぞ。私はいまだ答えを見つけられないでいる。おまえは、自分が欲しいものは何か、本当にわかっているのか。・・・・・・・・ほらおばあさまがいらっしゃった・・・」


・タマキのばあさん、恐いーっ
「(タマキが嬉しそうに寄っていくと)・・・さわらないでちょうだい・・・・汚らわしい・・・」
「今日と明日の学祭の間、このエクレール嬢をエスコートしなさい。」
「(黙っていると)・・・・どうしたの、私がいっているのよ。」


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エクレール嬢は、「伯爵家の家柄でもあるフランスの名家トネール家の三女」だそうです。


・タマキが、エクレール嬢と一緒だったり、ピアノを聞かせているのを見て、ハルヒさんは嫉妬しているみたいなので、タマキ先輩の手なずけ作戦は成功していたらしい・・・・・


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エクレール嬢の、イジワルなジャブにいちいち反応するタマキ先輩。
「もしかしらた、本当にみんな裏では、いろんなものを犠牲にしているのかも・・・・」


「ウチの娘を、豆だぬき呼ばわりするのはやめてくれ。」
「娘ね・・・ままごとの家族は所詮ままごと。代用品でしょ。(・・・・)タマキが一番欲しいものを、わたくしは上げることが出来る。」


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・以下、語られたタマキの出自。・・・・・うーん、絵に描いたような悲劇の王子様・・・・・母が行方不明ってのが、最大のポイントっぽい。
・政略結婚の後で「本物の恋」に落ちた父である理事長が、成した子供がタマキ。
・理事長は、離婚して再婚しようとしたが、おばあさまの反対に遭い、フランスで14歳まで病弱な母親と生活。
・病弱の母親の実家が事業に失敗。
・おばあさまは、タマキを日本に引き取り、かつ母親が二度とタマキとまみえないという約束で、母親の実家に援助。
・母親は、身を隠すようにどこかに移り住み、現在は行方不明・・・・