■シュヴァリエ04革命の信徒s菅正太郎c望月三郎d嵯峨敏g塚本千代美

冒頭、カロンが裏切らぬように、サンジェルマン伯爵が与えた「詩」。それによって、カロンが吐いた言葉が、前回、死者の恨みに凝固したリアが絞るように吐き出した言葉と部分的に同じで、リアは呪文に縛られている部分もあるってことかなと思いました。それとも、これがサンジェルマンが言う「報復の詩」?「詩篇」の一節?
「・・・・主よ、どうか彼等の上に恐怖を投げ、彼等の人間に過ぎぬ事を思い知らせ給え」「私は・・・お前に・・・報復する!」


話は、4人が、ロシア商人ボロンゾフを捕縛するため、宮廷に毛皮を売りにきた彼の後をつけるが逃げられ、代わりに出てきたカロンがデオンと一騎打ちするという展開。


姉が憑依することで、その痛々しい怨念が地上に噴出することを避けたいためか、剣に文字が灯るが変身することを拒むデオン。やすやすと、カロンに追いつめられてしまうのでした。
優位にたったカロンの呟きがいい。この視線が、メインプロットに絡んでくるでとイイナ。
「・・これが今の騎士の姿よなあ。・・・・フランスの騎士に問う。・・騎士とはなんだ。・・泥水をすすり、ひとかけらのパンを分けてくろうた第三身分の年寄りの剣術に、たやすく破れる騎士とはなんなのだ。・・特権をむさぼるだけの社会のゴミ・・それが今の騎士の姿よ。・・貴族の中に王に諂うことを拒んだ者が居るのか。・・・飢えきった市民に目を向け、歌い騒ぐだけの日々をあらためた者が居るのか。真に国の行く末を案じている者がいるのか。」


カロンの実力に破れ、彼の貴族を激烈に批判する言葉の前にデオンがうなだれる時、突然の憑依が訪れるのは、デオンの心が弱った隙をついて憑依したってことなのかしら。
リアも、今までと違って、寡黙に淡々とカロンを倒したカンジで、デオンの心の動きが彼女の中に残留しているのかもなとも思った。二つの人格の間には、相互作用があるのかも。


カロンに破れ、存在を批判され、避けていた姉の怨霊の噴出も避けられず、夜の街で呆然としているところを3人に発見されたりして、やっぱりデオンくんの情けなさが味わい深い。つらい立場だ。


あと、テラゴリー先生がヨカッタ。
回想の中、リアに破れて、「ええいっ」てカンジで剣を鞘に収める様子とか、酒場でカモフラージュの為に、一気飲みする様子とか(得意げな不自然な逆光カットとかも)、壁越えでデュランの手助けをあっさり無視して軽々と飛び降りるところとか、このおじいさんが生き生きしていてよいなあと思った。私はじじい萌えなのか。


◆◆以下メモ◆◆
================================
・冒頭、オルレアン公に失敗の責任をせめられてむち打たれるカロンの作画の川がめくれている様とか、リアルで痛そうでカンベンしてくれって思った。


・サンジェルマンに「報復の詩」を授けられて、憑かれたようにしゃべり出すカロン
「主よ。・・私の不幸を喜ぶ者。私に逆らいを誇った者に、辱めと不明を下し給え。・・私の正義に歓喜を与え給え。・・・・主よ、どうか彼等の上に恐怖を投げ、彼等の人間に過ぎぬ事を思い知らせ給え・・・私の敵、私をせめる者を悉く打ち砕く、その真実と忠誠の名において・・・・私は・・・お前に・・・報復する!」


・参考に、前回のリアの言葉。
「敵は私の魂を追い、私を闇の中に・・・・・永久の・・死者のように・・・・住まわせる。」
「主よ、彼等の上に恐怖を投げ、彼等が人間に過ぎぬ事を思い知らせ給え!」
「私は、・・・・許さない・・・・私は、お前に、報復する。」


================================
・この回は、リアの生前の行動の一端がやっと開示されてきました。
①ルイ15世のお付きのブロリーからリアの生前の活動が語られる。
「・・リアは王家に関わる重要な機密を取り戻す為、外務省同行秘書官としてロシアに赴いた。リアの死にロシアが関わっていることは明白。」


②宮廷で、王妃様に会った後、デュランから語られるリアについて。
「リアは暗号解読の専門家だった。・・・事実としてオレが聞かされているのは、女帝エリザベータの暗殺を未然に防いだのは、他なるぬリアだということだ。・・今のロシアとの関係が良好であるのも、その働き無くしては語れまい。」


③また、テラゴリー先生の回想として、晴れた日に戯れの剣術の試合で、テラゴリー先生と互角の腕を持つリアの様子が描写されます。笑うリアと、悔しがるテラゴリー先生。
デオンくんは、そんな二人を見て、本を読んで微笑んでいる・・・・・って、なんだかデオンくん、その役回りは確実に女性の位置の気が・・・・・


================================
・ルイ15世側近のブロリーが、nqmについて解説。。
「機密局とは、王権に反逆する革命勢力を罰し、公には出来ぬ諸外国との交渉事を執り行う事を旨とした組織。・・リアは王家に関わる重要な機密を取り戻す為、外務省同行秘書官としてロシアに赴いた。リアの死にロシアが関わっていることは明白。」


・nqm付きの十字架ペンダントをルイ15世から下賜されるデオン。
この時代の王様がどのような存在なのか、イマイチわかりませんが、直接気軽にデオンに会いに来たのは王として軽すぎる気がすこし。しかし、ペンダントを、ルイのおっさんが手渡すのではなく、臣下のブロリーが手渡すところは、話的に節度あるかも。しかし、ペンダント、テラゴリー先生にはあげないのか。
・デュランが、自分のnqmの時計を掲げ述べる。
「己を顧みず、国への忠誠にのみ生きることを誓った・・・証し。」


================================
・ルイ15世の寵愛のヒトとして有名なポンパドール夫人が登場。宮廷の庭で、女性達に演説しています。
「・・でもよくて。時代は変わっている。フランスだけが古めかしい慣習に囚われていてはいつか諸外国に栄光を奪われる。お願い、だからあなた達から変わって。・・文化、芸術、何でもいい、見識を高めて欲しいの。・・さもないとフランスは!」
・そこに王妃様が通りかかる。威厳があるというか、イジワルっぽいというか。ポンパドール夫人の脇にサンジェルマンさえいなかったら、絶対王妃様のほうがわるいことやっている様にみえるかも。
王妃様「続けて・・・・・さもないとフランスは?」
婦人「あ・・・・は・・・・」
王妃様「ごきげんよう


・ポンパドール夫人は、サンジェルマン伯爵とつながっているらしく「先ほどの件、陛下には伝えておきます。」と言ってます。


================================
・王妃様に「受け入れるのを拒んでいるようね」と言われるデオンくん。
「何故にリアの魂が激情にかられ、彷徨うこととなったか。・・・いまに自ずと、あなたから彼女の言葉に耳を傾けることになる。・・・・」


================================
・いままで、リアが憑依している間はデオンくんの記憶がないものだと思っていましたが、ロビン相手に感想を述べてます。
「あの魂が抱え持つ怒りはあまりに激しく、悲しみは絶望にも等しく、深い・・・・あれはまさに悲憤というべき、・・激情。」


================================
カロンが倒された時に壁に浮かび上がった文字は、私、文字の形すら判別できませんでした・・・


================================
・あー、オルレアン公が、あからさまに底が浅いワルモノでいいなー。ロシアに帰るという、ロシア商人ボロンゾフに投げつける言葉。
「約束がちがうではないか。・・・いつ私は王になる。」
「貴様ら教団のために、我が敷地を開放し、資金を提供した」


・宥めるサンジェルマン。
「ご安心ください。フランスはルイの代で終わります。」
「何を根拠に」
「そう詩篇が申しております。」
「私には聞き取りがたいようだ。パルムス(Psalms)の声が」
Wikipediaによると「詩篇」とは

旧約聖書におさめられた150編の神への賛美の詩

ほとんどの詩が典礼に用いられた詩と神への感謝の詩に分類することができる。ユダヤ教では「テヒリーム」(賛美)と呼ばれラテン語詩篇を意味する「Psalm」は七十人訳聖書における詩篇ギリシャ語タイトル「プサルモイ」(心を動かすもの)に由来する。ユダヤ教聖書の配列では「諸書」(ケスビーム)の1つ。

なんだってさ。