■シュヴァリエ01デオン∴リアs冲方丁c&d古橋一浩g千葉崇洋

個人的に知識も思い入れもほとんど無い、近世フランス、ルイ15世と来て、しかも冒頭の作りがマジメな西洋史劇っぽくて、敬遠して録画したまま放置していたのですが・・・・後半が怒濤のオカルト展開で、非常に面白くなりそうじゃないですか。


主よ!とか、国家への忠誠とか、正義とか、辛気くさいこと色々言っているけど、要は、姉の魂が乗り移った主人公がビシバシと、正義を貫くという話みたい。


国家=王室の守護者として自らを定義している正義の味方デオンくんが、姉を殺し、デオンくんの仲間の秘密警察を皆殺しにした敵を追い求めた先には、何があるのか・・・・・・・このメンツだと、きっと裏切られまくりでしょう。
髑髏の娘と会話する敵か味方か俄にはわからない怪しげな王妃様とか、既にカタキ役感満点のルイ15世とか、治外法権の屋敷で反国家的活動をしているオルレアン公とか、かの有名な錬金術サンジェルマン伯爵とか、デオンくんが挙動の怪しいヒトビトの間で孤軍奮闘する話になりそうなカンジで期待大。


「全てを忘れ、元の貴族の生活に戻るべきだったとヒトは言うだろう。・・・・・書類を楯に王に助けを請えばそうできたかも知れない。・・・・だが、私はそれを選ばなかった。・・・・それらを知ることが私に残された最後の忠誠だった。」


ところで、冲方さんは、マルドゥック・スクランブルカタルシス溢れるカードギャンブル描写で、異様に楽しませて頂いたのですが、昨年構成をやっていた某ロボットアニメがイマイチだったので、がんばって欲しいかも。


◆◆以下メモ◆◆
・のっけから、ナレーションが、主人公の晩年の声で、ちょっと引いてしまいましたが、これはきっとラストに効いてくるのかな。

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セーヌ川を流れてきた、姉の棺に<PSALMS>


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・ルイ15世直属の「秘密警察」って・・・・・なんかリアリティが無いような気がしてしまったのだけど、史実にあったりするのでしょうか。
・正義に燃える、理想主義あふれる秘密警察の面々。
「相手が王家の血筋であれ、我らの役目は変わらない。・・・わすれるな!我々がパリを守るのだ!」


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・パリの市場の隅に、額に<H∴O>とかかれて、水銀漬けになって死んでいる女の死体の箱詰め。
・送付元は、ロシアの商人。しかし、オルレアン公の支配地パレ・ロワイヤルに屋敷がある。
治外法権のパレ・ロワイヤル。オルレアン公の屋敷で警察の立ち入りが禁止されているそうです。


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・オルレアン公の敷地へ捜査の為に、やんわりと面会に伺う主人公デオンとベルニス。そこは自由な言論がウリなところらしい。
「演説家たちだ・・・公然と陛下を批判するなんて。」


・その呟きを聞いたオルレアン公。
「我が庭園では自由な議論をゆるしておる。すぐれた思想をうみだすためにな」
ずいぶん簡単に権力者にあえるんだな。


・オルレアン公の杖には、<H∴0>のマーク。
・二人は、捜査の許可をもらうのでした。


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・ロシア人の地下室からは、大量の水銀漬けの女性の死体。額には<H∴O>
・血文字で書かれた手紙<逆らえしものはいつまで勝ち誇るのか>
・<NQMに注意せよ。>
「コイツが警戒していたのは、我々ではなさそうだな。」
「今はやりの革命教団かもしれん。・・・不老不死だの黄金だので各国の王をたぶらかし、がいとうを操る連中だ!」(がいとうって何?)
「パリ中の密偵に連絡しろ。なんとしてもこのロシア人を捉えるぞ。」


・<NQM>の文字に反応したデオンくん。ベルニスに秘密を打ち明けるのでした。
「姉の遺体が発見される前、私宛に届けられた、ロシアの政治情報、女帝や大臣達のリストだ。」
「・・・・ここにもNQMが。」
「機密局という非公式な組織が使う暗号らしい。」
「これが秘密警察に志願した理由か?」
「・・・」


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・姉が何か、秘密活動をしていた話。
「姉は何かの組織に関わり命を奪われた。それは姉がフランスのために働いていたからだ。ならば、私が、・・・・それを引き継ぐことが私の意思であり、祖国への忠誠だ。」


「ならばなぜ、姉と同じように宮廷に仕えない?
「あそこは皆、王家に諂うばかりで、だれも国を考えない。朝から晩まで、歌い騒ぎ、彼等が恐れるのは退屈であって、国家の危機ではないんだ」


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・王妃様と、姉が安置されている地下の墓所で面会。
・王妃様・・・・・額にNQMと刻まれた髑髏をもって、いきなり信用できなさ満点で素晴らしい。
「この言葉の意味が知りたくば、聖堂でいにしえの言葉で記された聖書をおさがしなさい。・・・その詩篇の王の詩と報復の詩に答えがあります。」


・王妃様に、<H∴O>の意味を尋ねる主人公デオンくん。
地下墓所に記された梟と人間の彫刻の足下<HOMMES∴OPTARE>を見るように促す王妃様。さらにカメラは上昇して、<METAMORPHOSE>と足下に書かれた梟と人間が一体になったかのような彫像。


「フランス語とラテン語、二つの言語は・・・」「・・・・新しき言葉と古き言葉が一つになり真理を表します・・・・リアの魂はあなたとともにいます。彼女の声に耳を傾けなさい。リアの魂を冥福へと導く為に。」


・王妃様は、リアの憑依の仕組みとか因果を把握している様子。


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・デオンくんの勉強。
「ナーカーブ。・・・報復を意味する古い言葉。・・・・それは単なる復讐ではなく、乱された調和を元に戻すことを意味する。・・・そのために真実の王を求め、正しい秩序の回復を願う。・・・それが王の詩。そして報復の詩・・・」
「主は王に祝福と金と冠。永遠に続く日々を与えられた。・・・華々しき栄光。豪華な威厳を王にまとわせた。故に王は、いと高きモノの恵みによってゆるがない。」


「あなたは王に勝利を与えた。主よ・・契約と天秤を思い出したまえ。」
「私の道は全てあなたに誓い。主よ・・罪深い剣から私を救い給え。」


『★敵は私の魂を追い、わたしを闇のなかへ、永久の死者のように住まわせる。主よ、彼等の上に恐怖を投げ、彼等が人間に過ぎぬことを思い出させ給え。』


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・ルイ15世にいきなり面談して、オルレアン公を、捕らえるお許しを請うデオンくん。王への謁見が簡単に適うことが不自然な気もするし、いきなり捕縛では、飛躍しすぎな気が。


シリアルキラーのロシア人を屋敷に住まわせていたから怪しいと思って突き進んだのでしょうか。
・機密局と敵対するかもしれないけどいいですか?と尋ねるデオン。そんなもの知らないと言うルイ15世。
「彼はおもしろいな。ブロリー


・ルイ15世側近のブロリー公爵様の杖にも、NQMの刻印が。


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・Bパート最後は、怒濤の展開。仲間ごっこを続けるかと思われた、秘密警察の仲間が全員なにものかに惨殺。デオンの自宅のメイドも惨殺。親友ベルニスを人質にとられたデオンは、単身指定された教会の地下墓地へ・・・・
・額に<H∴O>を刻まれ、変わり果てたベルニスが襲ってくると、デオンくん姉に変身。


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・王妃様のイカレ具合が、やはり素晴らしい。綺麗な洋服を着せた髑髏と会話。
「そう・・かの器が彼女の魂をうけいれたのね。・・・私のベル」
「うん、彼女の魂がずっと彷徨っていたのはこのためだったのよ。」
「では、始まるのね。私の可愛いベル?」
「うん。始まるよ。・・・たのしみね、マリー。」