■桜蘭高校ホスト部21いつかカボチャになる日までs榎戸洋司c数井浩子石平信司d佐藤育郎g桑名郁郎板垣敦レイアウトg安田京子小谷杏子逢坂浩司織田広之金田尚子山山本尚志

双子とハルヒさんのクラスでハロウィーンにちなんで、夜の学校で肝試しをする話。
恋する臆病なクラス委員長と、想われ人の幼なじみ副委員長の女の子との関係性の話とか、皆で肝試しで怖がる様子とか、本筋の話としては、あんまり、印象には残らないかも。
特に、怖がる様子が、大して恐くなさそうなのに、大げさに騒ぎ立てていて、それがギャグに直結するわけでもなくちょっと居心地が悪かったかな。


さて、この回で、私の印象に残ったのは、(本筋とは大幅にはずれていて)カナリ蛇足でしょうが三つ。
一つは、双子の内面の話で、落ち着いている方の双子のカオルが、殿が仕立てて走らせているかぼちゃの馬車の魔法が解けるのはいつだろうとつぶやく。
いずれ「泥沼のかぼちゃ」にかわるだろうと述べていて、父の環、娘のハルヒ、その他のホスト部構成員との家族ごっこ、疑似家族は、各構成員の人格の成熟、異性を求める心の成長とそれに伴う独占欲の発芽、そしてその衝突により崩壊するだろうと、覚めた観察をしている。
崩壊の中心には、当然ハルヒさん。


(そこまで登場人物に言わせているのなら)、是非、この小世界の崩壊まで描いてください榎戸さん!と思わず思ってしまいました(すみません。そういう話が好みなもので・・・・)が、この話、内面がある(内面が深堀されてきた)のが、双子だけだとゆー構造なので、そんな展開はあり得ないか。
それに、真っ青な空が象徴するように、ここは、異界の楽園ですものね。


もうひとつ印象に残ったのが、すっかり忘れていたけど、ハルヒさんがクラスでもフツーに男子生徒だと信じられているという事実。
ハルヒさんが男子生徒であると信じられている」<リクツ>よりも、<状況>が優先される作りになっていて、このシリーズの象徴だなー、と思いました。
でも、やっぱりトイレをどうしているのかが、ものすごーく気になってしまった。・・・・だめだ。


あとは、冒頭のハイテンションなレンゲさんのハロウィンの口上がヨカッタ。もちろん口上のアクセントがチャーミングというのがメインですが(ほんとか)、パンツ見えそうなギリギリの作画が心憎いカンジ。


◆◆以下メモ◆◆
・この回、レイアウト作画監督が異様に多いのだけど、そんなに凝った場面があるような気もしなかった・・・・修行が足りないか。


・夜の学校の投網の罠にかかった、精神的に幼い方の双子のヒカルとハルヒ
ハルヒが逃げようとして網を切る際に、ムネがヒカルの顔に当たっているのに、全然気にしないところとか(ヒカルは照れている・・・・・・・うらやましい。)、ヒカルが網が切れるやいなや、ハルヒをほっぽって双子の片割れのカオルを探しにいくところとか、「環父さんの馬車がカボチャになる日」は遠いなーという趣旨のシークエンス。
「あの状況で僕の方へ走って来ちゃううちは・・・・・まだ、大丈夫か」
「でも、ヒカルが・・・・・もう一歩先に進みたいって気づきはじめちゃったら・・・・・・・・・・そうしたら、僕は・・・どうしようかな。」