■BLOOD+46あした天気になあれs森田繁c神楽坂時市d立仙裕俊g阿部恵美子松井誠

ずーと、匂わせてきたサヤの、ハジとの密やかな約束が、やっと明確な言葉として語られる回。
予想どおりで意外性はないけど、二人きりの世界で、ままごとをするかのように、路地裏の道端でハジと手を握りあって囁きあって、その約束を確かめ合うAパート冒頭のシーンは悪くはないと思いました。


一方、ここにきて、サヤに対する生への未練としての役割付けが明確になってきたカイ。ラストに向けての展開は、サヤの死への決意と、生への未練が葛藤するいいカンジの展開になりそうで期待。


ところで、ディーバのインターネットライブの危険性に思い至る赤い楯の残党一同。
「・・・2億人が四五分のうちに翼手になっちまう」と記者が述べると
「で、どうやって防ぐつもり?正義の味方としてはさ?・・・まさかあの子ひとりに全部やってもらおうってわけじゃないでしょうね。」
とマオさんが(ショーウィンドーの食品模型みたいなコーヒーをたたきつけて)叫ぶと一同沈黙するのに、この作品の苦しさを見た思いがした。


「どーしたのよ。何か考えているんでしょう?」
「最善の策は、・・・サヤがディーバを倒すこと。これで翼手の多発を防げるはずだ。」
・・・・・・・あり得ないデビットの返事。意図的にせよ、無意識にせよ、こんなにキャラクターが動いてくれないんじゃ、物語としてはつらすぎるっす。


◆◆以下メモ◆◆
・男気?を見せて、カイとサヤをわざわざ二人きりの買い物に出かけさせるマオさんは、なんかいろんなところで見た光景。


・地下鉄で、魅入られたようにホームに入ってきた電車に倒れ込んでいくサヤの演出は、サヤの体調が悪いという描写であると同時に、死への誘惑と、手を繋いで生きている地点につなぎ止めた生の象徴としてのカイとの対比なんだろうなと思った。


・SZN、突発性じゅう化変異症候群の患者がブルックリンで暴動を起こしたってテレビで言っているけど、その症候群よる現象が世界に知られことによる波紋、知れ渡っていく様子が碌に描かれていなくて、社会に与える影響、政治的な圧殺のプロセスなどが、十分に検討がされておらず、ちょっと無邪気すぎる脚本。


アメリカをラスボスのポジションに持ってくるのは、このシリーズの初志貫徹で好ましいが、ちょっと薄っぺらすぎるかも。
ホワイトハウスっぽいところで、えらそうなヒトに、「この国は常に敵を必要としている。敵がいるからこそ、国民が団結し、アメリカという理想を体現する国家が成り立っている。」って語らせるだけなのが悲しい。
「翼手というのは、私達にとって理想の敵と言えるわ。わたしたちだけが作り出すことが出来、わたしたちだけが倒すことが出来る全人類の敵・・・」


・世界中の飢餓貧困地域に援助物資としてばらまかれたサンクフレッシュの食料には、翼手のもとが入っていて、世界全人口の3%が口にし、発症率が1/10000なんですって。2万人の人間が自然に翼手になる潜在性。しかし、ディーバの歌をライブで聞くと100%発症とのこと。


・ソロモンさんは、サヤに袖にされたけども未練断ちがたく、ディーバ殺害を企てる。しかし、返り討ちにあい大量の血を流して、瀕死の状況。
描かれてきたキャラクターとの乖離からして、やっぱり、この情動は、翼手とゆー、生物の摂理としてのリビドーとゆう解釈で行きたいかも。


・いつの間にかディーバ先生は、マユに包まれた双子を出産。アンシェルが腹を割いてとりだしたのだと。