■僕等がいた03・・・s池田眞美子c佐山聖子d村田尚樹g川島勝新井伸浩氏家喜宏

3話遅れ。
◇Aパート。シリアスな死という課題を抱えた矢野くんに対して、距離感を計りかねて、七美ちゃんが、近寄ったり遠ざかったりする様が見ていて、非常にかわいらしく表現されていると思いました。


ある時はそれをまったく意識せず、ひたすら逢いたいと思い、無邪気に(いささか自己中心的に)一方的に想いを注ぎ、ヒトに言われて、ヤノの恋人の死をいったん意識し出すと、今度は意識しすぎて遠巻きに見たり、逆に踏み込みすぎたり、ヒトはこうして、コミュニケーションを学んでいくんだなーと思った。


しかし、劇の練習をすべてさぼったという口実で、恋人の命日を過ごしたヤノくんを心配して、彼の家に尋ねていってしまう七美ちゃんの行動力は普通じゃないかも。
「なぜ、あたしはここにいる?・・・やっぱやめよう。だって、なんて言っていいかわかんないし。」



◇Bパートは、一転してヤノくんの見る夢を借りて、ヤノくんの失われてしまった恋人奈々さんとの想い出について。
なんか、声の演技が、七美ちゃんと区別つかないワタシは相当だめかも。


しかし、ヤノくん、いわば、ドメステックバイオレンスを受けている女の先輩の、健気に恋人を信じようとする姿にグッときたのでしょうか。
(作中、奈々さんが暴力男を評して、また、ヤノくんが奈々さんを評して、自己陶酔というキーワードが出てきますが)健気を演じて自己陶酔している女の子に、そんな女の子を救って上げるというメサイアな自己陶酔を発揮して、恋愛関係を結んでしまったという、ヤノくんとナナさんの病的な関係を想像してみたのだけど。


一話と二話を見ていると、ヤノくんは、死という影を背負っていながら、友達には過度に影が無いように振る舞うという、多分に病的な要素を抱えていて、しかし時折鬱屈を見せています。その上、上記のように奈々さんを好きになる馴れ初めもちょっと気になるところ。
こうくると、ワタシ的に、この物語は、ヤノくんが、死の影に静かに蝕まれていき、徐々に狂気に落ちていくというシナリオしか思い浮かばなくなるんですが、まあ、健全に七美ちゃんに癒されていくという展開になるんでしょうね。


しかし、奈々さん、体育館であんたら服脱いでなにやってんだーっ、という場面があって、ワタシとしては、精神的な好きだのキライだのとゆー話を期待しているので、非常にけしからんと思ってしまいました・・・・・



◆◆以下メモ◆◆
・背景の「どうでもいい友達」っつうのが非常に明確で、その人達は、目が非常に小さい。物語にからんでくる重要な人達は一様に目がでっかくて、ああ、不公平な世の中だなーと、思ってしまった。
・ヤノのお母さんもテキトーなキャラに描かれてますね・・・


・ヤノくんの家の門扉の前でうろうろしているのをヤノに見つかる七美ちゃん。
「お、ストーカーです。家の回りをうろうろしています。」
「す、ストーカーじゃ、ございま・・せ・・・ん」


・ヤノの家で、素っ気ないヤノくんに、七美ちゃんの独白。
「毎日・・考えていたよ。わくわくして練習でたよ。張り切って浴衣をきたよ。家にも来たよ。・・・でもそんなこと・・あんたにはちっとも関係ないんだ・・・」「・・・・ただのクラスメイト。」


・しかし、帰る間際、思い立って一気呵成の述べる。
「ヤノ、ヤノの、すごくすごく好きな人はもう居ないのかも知れないけれど、それは寂しいことなのかも知れないけど、でも、ヤノのことをすっごくすっごく好きな人間がいるってことは、それってプラマイゼロなんじゃないかな。・・・だから、一人だとおもわないでね。・・あたしがみているから。・・ヤノのことずっと見ているから。みまもっているから。」
・・・ヤノくん、黙ってしまって、ノックダウンって、カンジみたい。
しかし、七美ちゃんの行動への衝動はすごいなー


・劇の練習に出てきたヤノと。
「オレのことみてるって言ったな。・・ずっと見てるって。できるのか、そんなこと。」「ふざけんな。大体むちゃくちゃなんだよ、お前は。プラマイゼロって、んな理屈あっかよ。見守る?・・男みたいなセリフ吐きやがって、生意気なんだよてめえは。」
「・・・・・うそ。ホントは嬉しかった。ナナちゃん・・・胸、貸して・・・」


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・ヤノくんが、奈々先輩に告白した経緯。
「ねえ、あたしどうしたらいいと思う?」
「はあ?自分のことは自分で考えろ。」
「バカだから・・・わかんないんだもん。」
「教えてやってもいいけど・・・その代わり、絶対言ったとおりにする?」
「それは・・・あたしを幸せにする?」
「幸せって何?」
「わからない・・・多分、誰も泣いたり、怒ったりしないの。殴ったり、ものを投げたりしない、そういうの。・・・・ちがう?」
「わかんない・・・・・じゃ、・・二人で幸せを探しに行こうか。」
・・・・・幸せの定義が恐ろしい。よっぽどひどい目にあっていたんですねえ。


・幸せの表現の変化が、幸せをあらわしているんだろうな。
「あたしこの間、捨てぜりふ吐かれたよ」
「なんて?」
「お前絶対後悔するからな、だって。ざまあみろ。・・・分かった。幸せって、寒い日のココアみたいだね。」


・あんたらはーっ、体育館でなにやってんですか。
「大丈夫、もう帰っていくよ。・・想い出になるよきっと。」
「つうか、ヒトに見られたら大騒ぎになるぜ。」
「あたしは今日で卒業だから、へいちゃら。」
「オレはまだ一年あるよ。」
「ハクつくジャン?」
「そうか」
「・・・早く」


・そんな幸せな日々、奈々さんの、腕の青あざを見つける。
「あいつと逢ったのかよ。」
「逢っただけ。」
・ヤノくん、奈々さん平手打ち・・・・
「・・・逢っただけって言ってるじゃん。・・・ひどいよ。」


・しかし、元カレ氏を殴りに行く男気を見せるヤノ。自分も怪我をしています。
「ねえ、コレ写真にとっておきたいな。・(・・)・・だってあたしの為に戦ってくれた印じゃん」
「お前一緒。あの自己陶酔男と。・・お前ホントは泣くのが好きなんだろ。」
「泣くのが好きな人間なんていない。だから、ワタシはいまこうしているのに。」


「オレと約束して。絶対オレを裏切らないって。」「・・・2度目はない。」
「約束する・・・約束する、絶対裏切らないって。」
・しかし、奈々さんは、元カレと車に乗っていて事故死・・・・・幸せな日々とのギャップが大きくて、これは単純に裏切られたとかそんな気分で割り切れるものじゃないですね。