■N・H・Kにようこそ!02クリエイターへようこそ!s西園悟c山本裕介d吉田徹g中澤勇一根岸宏行

ああ、痛すぎてシビれる。面白い。惜しむらくは、もっと、もっと、もっと、イタイ話にして欲しいな。


さて、ヒキコモリの主人公を助けてくれるという、18歳ぐらいの謎の女の子。彼女に、(私の助けが)ヒキコモリから脱出する最後のチャンスかもしれないよと言われて、冗談じゃないバカにするなという心が半分、本気にしつつ、すがるような想いが半分。


後者の思いが若干、勝って見えてしまうのが、イタイ。
しかも、そう思いつつ、女の子に対する見栄から、自分の身分を偽る、低レベルで、浅はかな嘘をつき、あっという間にばれて、気まずい思いをし、さらにまた、あからさまな嘘で上塗りする。
女の子は、嘘だと悟りつつ、何も言わず、いったん納得した様子で、その言葉を胸に納めて去っていく・・・・・・・女の子の心理的な優位な立場、展開されている内面を想うと、ああ、恥ずかしすぎて、筆舌に尽くしがたいよ。


普通の内省の人だったら、ここは、全て見透かされて、人格の底が露頭してしまっているような心持ちになり、悶え苦しむことになる・・・・ハズだと想うのだけど、残念ながら、この話の、主人公は、ここで七転八倒しない。浅い嘘の辻褄を合わせるのに夢中になる。
悶え苦しむ薄汚い青春モノを期待する、ワタシ的には、非常に物足りないカンジかも。


ところで、この女の子、ミサキちゃんは、(この回では)主人公の現実を映す鏡かな。その瞳は、主人公を寡黙に見つめ、その浅い人格の底の底まで透視するが、(おそらく)現実の主人公の実体を映しているだけのような気がする。糾弾したり、批判したり、誉めたりなどの価値判断はしない。(いまのところは。)
(シリーズの途中で、主人公の浅はかさをを糾弾しはじめたら、超ワタシ好みの話なんだけどな。このノリだとさすがに、それは無いような気がする。)


話を若干ずらすと、この回では、ミサキちゃん以外の(主人公にとっての)リアルが二つ立ちふさがる。一つが、高校時代のリアル。その時代の感触は、翻った今の自分の立場と比べた時に、きっととてつもない奈落感を味合わせてくれるはずだ。
もう一つが、高校時代の後輩との再会。(隣の魔女っ子ソングを延々大音量でかけ続けていたのが、縁の深い後輩だったってのは物語的に閉じすぎだけど)バカにしていた後輩は、なにやら怪しげだが自分の目的と意義を持って生きているらしい。
この二つは、主人公に、心理的ダメージを与えるはずなんだと思うんだけど・・・ギャグ優先のノリもあって大したインパクトを与えないのが、ちょっと不自然な気がしました。


総じて、引きこもってノーフューチャーの割に、主人公が小ぎれいすぎるかも?とも思って、だけど、これは深刻な話を深刻に語るのではなく、軽やかに語ってみる試みなのかもしれないので、野暮なツッコミかも。


◆◆以下メモ◆◆
・「佐藤達広殿 あなたは私の「プロジェクト」に大抜擢されました。ですので、今夜9時三田4丁目公園へ来てください」ってのは、なんか涼宮さん成分をカンジさせる、電波感が若干。ミサキちゃんは大丈夫なヒトなんでしょうか。
・「引きこもり脱出とそのサポートに関する契約書」・・・手書きの契約書も、電波感が・・・・


・夜の公園で、最後のチャンスかもしれないよ!とミサキちゃんと主人公が対話している背景の、ギターの音楽が、小品実写青春映画っぽくて非常にはまっていた。好みな状況。


・ミサキちゃんは、若干優位にたって見下ろしているカンジがあるけど、相手の言うことは、とりあえず受け入れるとゆー、カウンセラーっぽい態度。
「おまえ・・・一体何なんだよ。」
「引きこもりのダメ人間を救済する・・・・親切な娘です」・・・ああ、優位に立ちすぎ。


・高校生活の回想。イカレた美人の先輩が素敵。(そういえば一話の回想でも、電波度高く登場していたっけ。)
「「ねえ、君。文芸部へ入ってよ。」その一言で、俺は高校3年間文芸部で過ごすことに決めた。
もちろん小説には何の興味もなかった。だから日々の活動と言えば、トランプだったり、ちょっといかれたところのある先輩の陰謀話につきあったり。まったくなにやってたんだか。他にやることがあったろうに。」
しかし、それなりに楽しかった様子。


・アニソン野郎、山崎くんはウッソの声だー。
・ウッソが主人公にエロゲー制作の手ほどきをする展開?うーん。