■BLOOD+36すれちがう想いs砂山蔵澄c島崎奈々子誉田昌子大久保徹d誉田昌子g大久保徹

なんだか、物語的にじれったい停滞期に入ったカンジかな。派手な転回点に向かう前に淡々と要素を付置していっているのでしょうか。
デビットおじさまが、研究施設に忍び込んで、人造翼手の製造現場を見せたり、サヤとジェイムズの対決の見せ場があったりするけども、なんだか退屈。


思うに人物間の関係性、勢力間のせめぎ合いに、動的な要素が見えなくなっているからなんじゃないでしょうか。(このシリーズは、元々こういう傾向が多かったような印象だけど)
サヤは、ハジとともに孤独に閉じて、猪突猛進で、戦略性なし。しかも、再登場してから弱くなっている。(これは、きっとあるであろう、この後の物語展開のブレイクスルーに向けた布石なんだろうけど。)
カイは、そんなサヤを助けようとするが、相変わらず戦力的にほとんど影響できない。ましてや一番の存在理由である、サヤに対する心理的な影響関係も(わざとなんだろうけど)ほとんど見えない。


でも、傷ついたサヤが、血を求めてハジの首すじに口を寄せる。サヤは、その様をみているカイに、一瞬躊躇するが、決然と歯を突き立てるあたりは、現在のサヤさんの心理的位置を状況で語っていて上手いと思いました。


あと組織的なせめぎ合いとしては、デビットおじさまが、アルジャーノの差配する人工翼手製造の研究所へ忍び込んだりするけども、(いままで描かれている赤い楯壊滅後の)勢力がたった3人では、ディーバを殺害するという目的に向けた行動としては、迫力不足で物足りないところ。
現在の勢力と手持ちの武器では、敵は化け物たくさんであってみれば、この回のように周辺をうろうろして、状況を観察することしかできないです。
今のところ唯一のディーバとそれを取り巻く化け物達への対抗手段は、サヤとサヤの血だけなんだから、そこから押さえていくしか無いんじゃないの・・・とじれったく思うのでした。


さらに、この物語の悪の役回りである、ディーバをかしずく、シュバリエ4兄弟が何をやらかそうとしているのか見えないのもじれったい。計画の断片は毎回律儀に配置してあるので、そういう見せ方なのだろうけども。


この回のラストの、お互いがショックな一日を経過してきたあと、ルイスの車の後部シートに乗り込み、カイとデビットが、てんでに黙りこくって車外を見るという様子が非常に雄弁に、物語の閉塞状況を見せているような気がしちゃった。


◆◆以下メモ◆◆
・「ねえ、ジェイムズ、どこに行くの?」
「国防長官との会食です」
「食事って・・・人間の食事?」
「当然です」
「じゃあ・・・つまんない。」
・・・・ディーバ先生のサイコな描写が見たいよー


・ジェームズは、「あなたの歌はアンシェルの許し無く歌うことは出来ない」と言っているので、聞く人間に劇的な何らかの効果をもたらすのでしょうか。


・新聞記者とマオと、デビットおじさまの毎回の接触ポイントが地下鉄の駅という、スパイものっぽい状況仕立てだけど、こんな手の込んだ事をする意味があるのかしら。
・この二人がもたらした情報。
サンクフレッシュファルマシーは、ゴールドスミス家の仲介で「米軍を中心に、NATO諸国、ロシアや旧共産圏、中東、アジア、アフリカの新興国家まで」食料を納入しているという、話。
あと、サンクフレッシュとゴールドスミスの共同出資の研究所の写真と、アルジャーノ氏の写真。食品事業部の関連施設とマオさんがいっているけど、この施設が怪しいと思ったのは、直感なんでしょうかね。


・研究所、デビットおじさま簡単に侵入しすぎ。


・デビットおじさま、ジュリアさんとばったり。
「この一年で分かったのは、D塩基にも好みがあるということかしら。」
「リクが以前にディーバの歌や翼手の声を聞いたことがあったでしょ。あれは、成長期の子供達に多く見られた現象という統計がでているわ。ディーバがリクを選んだのも、シフたちが少年少女であることも偶然じゃないと思う。」