■涼宮ハルヒの憂鬱11射手座の日s賀東招二c&d武本康弘g堀口悠紀子

冒頭の、宇宙艦隊戦なりきり演出を見た瞬間に、気分的にかなり引いたけど、キチンと面白くなっているのはさすが。
妄想のなりきり大風呂敷と、チマチマした日常をいったりきたりしてくれて、普通なら絶対(ワタシが)しらけて放擲するような構図の演出を、優れたバランス感覚で上手く乗り切っているとおもった。


この回のポイントは、長門さんの無垢な瞳と瞬きかな。
「情報思念体のヒト形インタフェース」であり、感情の露頭がまったくない長門さんが、ショボい手作りのコンピュータゲームに没頭し、そこから生じた上気したような無邪気な感情のさざなみが映る澄んだ瞳。
そこには、キョンの姿があり、彼と長門さんとの、かすかな感情の交錯はとっても好ましいカンジがしたものです。


季節的にこの話は、秋の入り口で、この回でせしめた4台と思しきコンピュータを、第九話の冬の入り口の話の「サムディ・イン・ザ・レイン」で見た記憶があります。
ですので、この回の長門さんのかそけき感情が、第九話のラストの眠っているキョンにカーディガンを掛けた(と思われる)長門さんに接続する流れなんじゃないかと思ったけど、どうかしら。


◆◆以下メモ◆◆
・なりきり演出のあとのアバンの最後にはいる、質素なコンピュータゲームの画面としょぼい電子音の一瞬の挿入が、この回の演出の象徴。何度も繰り返されるけど、非常にセンスがいいと思った。


・コンピュータ部の部長の行動があまりに漫画的でちょっと違和感があったかも。


・「この自信の原材料は何なんだろう。2mgでいいからおれにもわけてほしいねえ」
「そうお、ちょっぴり注入してあげようか」
「・・・・どうお、少しは効いたでしょう。」
「えネルギーを視線にこめておくってあげたじゃないの。身体がぽかぽかしてくるとか、発汗作業が促進されるとかそんなのをあんたも感じたでしょ?」
・・・・羨ましいのやら、怖いのやら、微妙な電波具合。


長門さんの高速キーボード操作の作画が、なんかすごかったような気がした。


・あれだけ派手にキーボードを叩いて、高速に開いたり閉じたりする画面でソースコードをいじっている長門さんに、一切興味をもたないハルヒさんはどうしたわけかしら。
・ずるするだの、ずるしているだの、ずるを許可するだの、キョン長門さんの対話に介入しないのが不自然な気がしたが、野暮ですか。


ガンダム行きますのモザイク画面とか、コンピュータ研の部長がデスラーっぽかったりとか。