■ブラックラグーンBLACK LAGOON03Ring-Ding Ship Chase_s片淵須直c片淵須直荒木哲朗dCindy.H.YAMAUCHIg奥田佳子

「湾の入り口に、この世を光で照らすべき仏が、無惨な姿でそびえている・・その奥にうずくまるのが背徳の港ロアナプラ・・・・・・」
町中に溢れる、悪徳人間達・・・・・・・デフォルメが効きすぎて、一瞬爆笑してしまったけど、「上から下まで騙し有って生きている」この作品世界の有り様は、舞台仕立てとしては悪くない。かっこいい。


湾の仏の脇を通過すると、そこは、違った価値観の支配する世界なんですね。
「盗んで・・殺して・・悪いことはなんでもやった。・・・・おもしろくもねえ、話だ。」暗い三白眼で、こう語ってしまうヒロインも、物語の倫理に殺されることなく、普通に生きている世界。


しかし、八艘飛びさながらに、船から船へ飛び移って、凶暴な三白眼で、殺戮の限りを尽くす、このヒロインは、なんか、ものすごいです。銃弾を、キャビンの中にあびせつづけたり、まったく容赦がない。
そして、そんな殺戮のあとに、のんびりとソファーにくつろぎ、明るく街の飲み屋に繰り出す一同。


明るく終わっても、エンディングの暗い感じが、この作品に深みを与えているようでとてもいい。
この物語に内在する重さを製作者が意識しているようでもあり、そういう展開をやってくれないかな。


映画はともかく、アニメーションで、なまっちろい人道主義をあざ笑うような、こんな作品って、ワタシは見たことないかも。面白い。


◆◆以下メモ◆
・会話などがいちいちカッコイイ。
「いーこと教えてやろうか、陳さん。悪党にも道理ってものがあるんだぜ。あ?」
「話はこれでしまいだ」
「アタマを使って、よーく生きることだ。じゃな」


バラライカ女史の小山茉美さんが、すごくはまり役。
「おやおやおや?急なご引っ越しとはご精がでますわね。お手伝いしましょうか?陳さん?」