■BLOOD+24軽やかなる歌声s森田繁c金子伸吾ヤマトナオミチdうえだしげるg山本善哉渡辺るりこ

ここ4話の盛り上がりがいい感じに面白い。サヤの過去と目的、対立構造の輪郭がはっきりし、現在の足場がしっかりした結果、サヤの引き裂かれる自己が分かり易く前面に浮かび上がってきて、ドラマの強弱がはっきりして非常にイイ。やっと主人公らしくなったよ。


さて、サヤの立ち位置を見ていて、アトムを連想してしまった。
人間、そして家族に恋いこがれるあまり、清廉で嘘くさいロボットの人権、自我を高らかに歌い上げたアトム。彼は、自らを人間になぞらえようとした。本当は、人間ではない、別の存在なのに。
彼は、ロボット達を率い、嘘くさい人工の家族に囲まれて満足し、メタ的視点をもてず、自分の自発的意識で行動していると認識させられていると気が付けずに、人工の自分の自我に疑いを持たなかった。(ごめんなさい。偏った解釈ですよ。)


サヤのドグマも、「人間」そして「家族」。自分を人間のカテゴリーに分類し、「人間の家族」に憧れ、嘘くさいニセの家族を家族だと信じる。(この物語の当初に提示された疑似家族はまったくもって胡散臭いとワタクシは思ってました。これも偏った意見かも。)彼女は、100年仕えてきたハジに、新たに加わったリクという死者を従える闇の王なのに。人間の血をすすらずには生きていけない異形の存在なのに。
・・・・・・と思ってみたりしたが、中途半端な連想だな。


「ワタシには家族が、友達がいる。気持ちがつながっている人たち。こころがつながっている大切な人たちが。」「あなたの言葉は信じたいけど、そんな人たちが悲しむのを、ワタシはもうみたいくない。」「だから決めたの。翼手を斬る。斬ってみんなをまもるんだって。」


しかし、ディーバの人格障害少女ぶりがとってもいい。ワタシって、最近、(当然、物語上のみだけど)キチガイ少女が大好きだってことがよく分かりましたよ。(あと、美が付かないとダメか。注文が多いな。)


◆◆以下メモ。◆
・まさか、弟くんを殺すとは思わなかった。やるな。
・サヤの血を飲んで、復活しましたが・・・ハジにしろ、殺しても死なないということは、既に死んでいるってことだとおもうんです。
・19話で弟くんがばったりと熱で倒れたのは、アンシェルさんに毒をもられたんだとおもってたんだけど、これでこのエピソードの伏線説は消えたか。単独で見ると、意味不明なんだけどなあ。


・サヤの血はディーバを殺し、ディーバの血は、サヤを殺すという、絶対に相容れない二人は、アボラスとバニラばりに、決着をつけるしかないのでした・・・・。(赤と青だし)


・100年前の動物園の火災、ジョエルの死の真実。それは、サヤが、浮かれたお嬢様ぶりを発揮して幽閉されていたディーバを塔から出した為、生じた惨劇でした。パンドラの箱を開けたのはサヤ。サヤは、自分の行為の決着をつけるために、時を越えて生きてきたらしい・・・・


・石の壁にたたきつけられ、4〜5階相当の塔からおちて骨折すらせず、平気で活動するサヤを見て、確かに、人間じゃない気が・・・・・。個人的には爆笑してしまった。


・ディーバさんをこの消失したシャトーに連れてきたのは、アンシェルさんでした。アンシェルさん、ソロモンさんの行動を不審におもっている様子。