■おねがいマイメロディ51タクトがふれたらイイナs山田隆司c&d渡辺健一郎g古池敏也渡辺浩成

すごいよ。面白すぎ。
普通、どんなお気楽ギャグ作品でも、終盤のシリアス展開というと、それなりに泣いたりわめいたり、自己犠牲と倫理の物語が出てきたり、うっとおしくなるもんだけど、マイメロのこの回のすごさは、僅かにあるそんな要素を覆い尽くす、物語の本線をも侵蝕するボケと、シニカルなツッコミが横溢するカオスなギャグが、いつもの調子で、大量に盛り込まれていること。
しかも、ことごとく、ワタクシのツボをつきまくりデス。


象徴的なのが、象の王妃様の、マイメロの特訓かな。
数時間後に地球の夢が全てダークパワーの精に奪われてみんなぬけがらになっちゃう!という所からの、唐突な話のズレ方と、ギャグの落とし方がキマッテマス。
歌ちゃんの家に閉じこもって、マイメロに冷水修行をさせたり、腕立て伏せをやらせたり、階段ウサギ跳び・・・・そして、ボケボケのマイメロを焦れったがって、王妃様が時間を進めて一年後・・・・・さあ、特訓が終わった!反撃だ!と家の外に出たら、外の世界も一年たっていて・・・・滅びてました、ってのがもう、おかしくておかしくて。
ばあさん「おや、おや、外の時間も進んでしまっていたんだねえ」
・・・コレがやりたくて、この支線をつくりましたねってカンジですねえ。爆笑したよ。
個人的には、地球滅亡にギャグ風に青ざめたまま、エンディングになだれ込んで大喜びだったんですが、ED途中で止めて、フォローしております。このケアの仕方も、王妃様のやけっぱち具合がおかしかった。素晴らしい。


◇以下メモ。
・ミキの詩?でダークパワーに対抗するために、歌ちゃんの家に走る一同。象の王様は、奏さんの太ももにすがりついていて、ぶち落とされる、いつものセクハラギャグ。


・ミキのポエムを一同で読み上げる。
カケル「スキスキ、ときめき気づいてた。ドキドキ、きゅんきゅん聞こえてた。」
奏「あなたのハートはインモラル。おいたはダメダメ王子様。」
琴「舞っちゃえびゅんびゅん5回転。お手々をニギニギ、ごーヘブン・・・・・」


奏「・・・世界は終わった」
琴「残しておいたケーキたべちゃお」
奏「せいぜいオシャレしとこ」
・・・・ミキの、世界を救う詩の出来と、それに対する一同の反応がいつもどおりで、素晴らしい。不動の安定感。こんなのに世界を託せるのか感がとってもイイ。


・柊さまを乗っ取って巨大化したダークパワーの精に取り付いているクロミを助けようとする、バクが健気でうっとおしいなと思ってたら、まったく意味不明の「なすびの神様」が助けてくれて爆笑。
「我こそはなすびの守護者、たかみなすびの守なり」「夢が丘一丁目から五丁目まで担当しておる。」
・うっとおしいとはいっても、なすビームとか、ちょっと燃える展開。
・バクは、演歌風の音楽がかかると、すごい似合うな。クロミとの、べたべたの演歌風の裁判エピソードも爆笑。あーもーおかしー。


夢防衛少女隊は、王様の趣味らしい・・・・・。
・タクトがエネルギーを溜めて、重くてタクトを振れなくなるマイメロ。世界を救う歌を歌い始めて、調子乗ってきた辺りで、ぱたりと倒れたり、この辺りのはずし方が上手い。


・そんなマイメロをみて、諍いを始めた象の王様とモグラ侍従が愛おしいよ。
王様「だから、私はあのとき、マイメロに任せて大丈夫かといったんじゃ」
侍従「言ったのは私です。それを王様が!」
王様「ちょっ、と待て。それじゃ、まるで、わしのせいみたいじゃないか」
侍従「そういってるんです!」
王様「なんじゃあ、その態度はあ!王様にむかってえ。」
侍従「世界が終わるって時に、王様もなにもあるかあ!」


マイメロの修行。
・風呂場で冷水を浴びて精神集中・・・・のはずが、くしゃみをすると「あらあら大変!」「湯冷めしないようによーくあったまるんだよー」とばあさんが甘やかす。
・階段ウサギ跳びですぐ疲れてお茶をするマイメロとばあちゃん
・エキスパンダーで身動きできなくなったり。


・「マイメロ、特訓の成果をみんなに見せて上げなさい。」
「はーい」
タクトを、力強くブンブン回すマイメロは、ぽっかり空いた空洞の不気味な目が強調されているカンジがして、なんか怖カッタ。きゃー、近づいてこないで!みたいな。