■エウレカセブン47アクペリエンス・4s菅正太郎c寺東克己d原口浩g真庭秀明g補佐上石恵美

・最大のネタを割った回にしては、盛り上がり、意外感、連続感、ドラマ性に欠けるような気がしちゃった。
何よりもダイアンが説明しすぎ。というか、ネタを割るほどの重要な存在として、ダイアンはキャラクターとして確立していなかったよねと思ったり。
ダイアン、この物語では、ファザコンとしてしか具体的に描写されず、エゴの強いある意味いっちゃった研究者としかワタクシは認識していなかったので、彼女がねえ、レントンに、包容力がある風に、全ての真実を明かしてもなんかとってつけた感が強い。
ダイアンは、もっとエゴと執着の強い人間として描いた上でなければ、この役割は振ってはいかんだろうと思いました。。


・もっとも、ぽつぽつとセリフだけで語られてきた伏線が、唐突に全面展開され、一話限りで忘れ去られる・・・・というこのシリーズの作劇作法に乗っ取っているカンジはして、その意味で統一感はあるのかな。(・・・・こんなことで統一感があってもなあ・・・)
ただし、図書館のイメージは、この「アクペリエンス」シリーズで、何度も繰り返されてきた数少ないイメージの伏線。
ワタクシなど、これはすっかりエウレカのイメージ世界かと思っていたんですが、そうですか、スカブコーラリアンの、内的世界を、人間に理解しやすいように翻案した世界だったんですね。OPでフィーチャーされたイメージは伊達じゃないってことでした。
きっと一冊一冊がコーラリアンの眠っている知性体ってことなんでしょう。


・物語的には、実は、幼年期の終わり、ブラッドミュージック、諸星大二郎の生物都市、エヴァンゲリオンの系譜の結末である、集合的生命体、の「その後」を描いた物語だったってことですね。しかし、これも唐突だよなあ。
融合することが唯一のコミュニケーション手段であるコーラリアンが、「地球」の全ての生命を融合し尽くし、のこされた人類は外宇宙へ旅立った・・・・・そして、コーラリアンが覆い変貌した地球へ戻ってきた人類の苦闘の歴史。


コーラリアンにとって、融合が唯一のコミュニケーション手段だったというのは、使徒に侵蝕されたレイさんの「あなたと一つになりたい・・」という、エヴァンゲリオンの一つの心理的モチーフが即座に思い出されるけれども、あれほど深く印象的な描写もなく、これも弱いかなあ。


・結局、このシリーズの最大の魅力は、登場人物達の人間的なリアルな欠点や限界を、的確な描写で見つめるイジワルな脚本にあったという事なんだと思った。それが非常に良くできていた反面、物語を見つめる視野が非常に短くなって、大きな物語が上手く構成できなかったんじゃないかと。
従って、ギスギスをメインに持ってきていた前半に比べて、後半が魅力半減ってことなのかなとおもったり。
あー、最終回でもないのに、何まとめてんだオレ。


◇以下メモ。
・ダイアンの設定語り。
「1万年前、スカブコーラルは初めて地球に触れた。彼等の源になったモノが人工的に作り出されたのか、それとも自然発生したものなのか、スカブコーラルにもわからない。」
「ただ、彼等が意識を有したとき、彼等は海の中にいた。彼等は海に生きる様々な生命を取り込み、融合していった。」
・・・・画面上は宇宙船に乗せられたナニカが、宇宙船が墜落することで海の底に棲息するようになったような描写なので、人工的に作られた何らかの生物だったってことでしょう。


・「融合って?」レントン問うて、ダイアン曰く
「一つになるということ、スカブコーラルが知る唯一のコミュニケーション手段。」
「始まりは小さかった。けれど時を忘れ、対話を繰り返す内に、彼等は地球上のどんな生命体よりも巨大なものになっていった。」
「人間はスカブコーラルを恐れた。誕生したばかりのスカブコーラルにとって、それはまったく驚異に移らなかった。」
「むしろ、彼等は彼等の方法で積極的にコミュニケーションを図った。スカブが積極的になれば成る程、人間は彼等を恐れた。そして、人間は地球を去った。」
「人間が去った後、地球上のあらゆる生命と融合して一つになった。そして地球と同じ大きさになって、スカブコーラルは、初めて気が付いた、自分たちの回りに誰もいないことを。」
「融合することも叶わず、ましてや、誰からも呼びかけられることもない。何十年も、何百年も、何千年もの間、ずっと。」
「宇宙空間はスカブコーラルに自分以外に存在する何かが、如何に大切であるかを教えた。」


・一万年後、戻ってきた人類に、そんなスカブコーラルが切望したこと。
「対話したい。できることなら共に生きる道を歩みたい。でも融合する以外に自分の意志すら上手く伝えることが出来ない。」
「人間と共生するにはどうすればいいのか。そもそも人間と共生することは可能なのか。その問を携えて送り出されたのがサクヤであり、エウレカだった。」


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・図書館のイメージは、起きている、スカブコーラルの指令クラスターのイメージらしい。
デューイ大佐のオラトリオナンバー8による攻撃で、指令クラスターが破壊されると地球上のスカブコーラルが一斉にめざめ、くだんの限界が起こるそうです。宇宙がさけるんだって。


・スカブコーラルの意志を伝えるダイアンは、指令クラスターが破壊される前に、スカブコーラルと融合することを提案。そうすれば、人間は意識だけで存在することができて、滅びの運命を逃れることが出来ると。


・しかし、レントンは、スカブコーラルと人間は必ず分かり合えると、宣言。
対してダイアンの「指令クラスターは、あなた達が地上の攻撃を止めてくれることを待つことに決めたわ」ってセリフはちょっと、余計だよなあ。
・次回は、レントンエウレカがニルバーシュ単騎で世界を救うという、カタルシスある展開になるのかな。


・オラトリオナンバー8は、オレンジみたいにぶつけるんじゃなくて、エネルギーを放射するのでしょうか。