■ノエイン もうひとりの君へ19オモイデs大野木寛c田中孝行安田賢司d田中孝行g中屋了山崎秀樹g補関口雅浩_うつのみや理

冒頭の、古い8ミリビデオの映像とか、こういう、忘れ去られた過去から現在へのかそけき意志表明のシチュエーションって大好き。
このジャンルだと、秀作ばかりのビバップの中でも第一の傑作回である第18話「スピーク・ライク・ア・チャイルド」がワタクシの理想。
ただし、この回では、あんなに大好きだったおばあちゃんを、私は忘れている、という過去のキオクの消滅についての小道具止まりですけど。
幼い頃の東京時代の親友をほほえましく思い出していたら、街中でばったりあって、彼女が自分をまったく覚えていない切なさとか、この方向で、上手く話をまとめています。
ブランコに並んで乗りながら、消えないものもあるんだよってユウはいってますねえ。


ところで、前回、ラクリマ時空界の政治はどいうなってんじゃと思っていたら、この回で少し出てきました。
「竜のトルクの逆算固定」を進言するクイナに、難色を示していたら、クイナの迫力に負けて、実行するという体たらく。
コマに過ぎないハズのクイナにいいように指示されて、意志決定能力の欠如が描写されております。
あと、クイナが円卓へ歩いていく、足の不自由でいて力強い歩みとか、円卓の人々のおちつかなげな動き、クイナの進言に難色を示す身振り手振りとか、非常にクオリティが高くて印象に残りました。この辺がうつのみや理さん?


さて、ラクリマ時空界のレイズ計算能力の全てをつぎ込んで、逆算固定を始めるラクリマ界。ハルカは発光しだして、止めに入ったユウと共に消えていきました。この辺は、音楽もあって、盛り上がる。


ハルカの「逆算固定」による現象を見て?影響を受けて?、アトリがまともに・・・・まともな状態って行っちゃった状態なんですが・・・に戻った模様。


◇以下メモ。
・内田女史は、篠原社長の暴走を止めるべく、恩師の絶対臨界阻止委員会の委員長に直訴。しかし、篠原社長の策動で、恩師は解任され、刑事のおっさん(郡山さんというのか今回初めて覚えたよ)は、内田女史の警護の任をとかれたそうです。内田女史も絶対臨界阻止委員会を解任されることに。


・郡山刑事は、昔、外国人によるスパイ事件を追っていて、同僚が殺されて、政治的に処理された事件を思い出し、今回は決して逃げないと述べるのです
「今度はあきらめねぇ。死んでもやめねぇ。」


・篠原社長の、力強くて分かり易いゲスさが、とっても素敵。キャラクターデザインと声優さんの上手さも相まって、もっと活躍希望。


・しかし、レイズ素粒子を作るという、量子の実験をしてなにが儲かるんだろうか。
「こいつで量子力学の扉をこじあけるんだよぉ。新しいネットワークの革命が起きるんだ。いやぁ、通信だけじゃない、世界そのものが変わるんだ。変化の時サ。新しい世界をつくるんだ。それをやめろってどの口がいうんだよぉ。」
なんていってますが、現実の量子通信のショボさを考えると、う〜ん、わからん。量子コンピュータなんて出来たらすごそうだけど、そういう話でもない。
要は、「量子のなんかの実験をすると時空が混乱し過去と未来と異次元が混濁する」っていう、ブラックボックスのキーワードとしてしか機能していないカンジ。


・クイナの円卓の支配者たちへの、逆算固定について進言。
クイナ「竜のトルクの量子構成のデータは保存されています。データどおりにレイズを再構成すれば、竜のトルクをこのラクリマへ。」
円卓のヒト「逆算固定をするためには、ラクリマのレイズシミュレーターの計算能力をフルにつかわななければならない。そうなれば、リメスが一時的に失われる。その時にシャングリラに襲われたら。}
クイナ「ならば、他に方法があるというのかあ」逆ギレするクイナに沈黙する偉い人々。