■舞-乙HIME18ホワイトアウトs吉野弘幸c竹内浩志d渡辺哲哉g森下博光

この回は、マシロ様に、これまでの悪政のツケが回ってくる話。
シリーズ前半のギャグ調の愛嬌あるキャラクターがあるだけに、(理由があるとはいえ)さんざんみんなにいじめれて、全てを失いひとり泣きながら砂の嵐の中に消えていき、砂漠に倒れ伏すという構図は、非常に物語的なカタルシスがあるな。
やっぱり次回への引きがすごい。


◇以下メモ。
・マシロ様、このシリーズのノリからすっかりギャグかと思っていたら、たくさんの失業者をうみだした悪名高い為政者という事になってます。
・難民の群れに紛れて、一人行進するマシロ様の耳に入る、たくさんの自分自信の悪評、子供の頃からニセの姫と呼ばれてきたことを思い出しながら、ウォン少佐にアリカこそが真に姫であると言われたことを噛みしめるマシロ様。もう、砂漠に力無く倒れるしかない。


・そんな、マシロ様を何くれとなく世話を焼いてくれるのは、数話前に、ウォン少佐に蒼穹の星玉を持つモノこそ真の姫であることを証言した女官のそばにいた女の子。
・タクミ王子にもらった炊き出しはネコにくれてやったけど、この子にもらった粗末なスープを飲んで「こんなに食べ物が旨いと思えたのは生まれてはじめてだ」とぽろぽろ涙を流すマシロ様は、とっても可哀想。


・そんなときに、側近のアオイさんが難民にリンチされそうになる現場に居合わせます。アオイさんを助けようと名乗り出ようとして足がすくむマシロ様。この真剣な葛藤はいいな。
・視点が変わって、群衆の中に、泣きながら葛藤しているマシロ様をみつけるアオイさん。「マシロ女王の居場所を吐けばたすけてやるぞ」との群衆の叫びを聞くけど、アオイさん、前半のギャグ調のマシロ様との日々を回想しつつ、決然と、崖下に消えていくのでした。
・「もう何もない。わらわには国も友も、王の誇りすらも」砂漠の嵐の中、倒れ伏すマシロ様


・一方、ナツキ学園長とナオ先輩は街からはずれた荒れ地に待避。ふたりと情報屋の対話で、政治状況が語られます。
・ナギ殿下は、シュバルツを撃退したと称し、民衆から好意的に迎え入れられているそうです。一方で、川沿いの貧民街を破壊撤去、貧民層を追放して「迫害対象をつくって残りの結束を高める。」戦略。(なんだか、図式的な説明だな)
・アリカの行方を捜して、ナツキに攻撃を仕掛けるロボ子ミユ。ロボ子は、前回登場した時の話からも伺えたように、アリカを保護するように何者かに指令されているみたいですね。


・怪我したウォン少佐に、不自然な明るさで接するニナと、すっかり気弱になり言葉もでないウォン少佐のふがいなさがとってもいい感じ。


・ジョン・スミス。固く閉ざされた宇宙オルガンの前でナギ殿下と対話。
「ハルモニウム、我らが求め続けた科学の神秘です。」
「最後に使われてから数世紀です。すっかり内気になってしまったようで。霊廟の封印も溶けないし。やはり正規の手続きが必要なようです。」


・なにかあるたびに、いきり立って闘いに行こうとする、脳みその足りないハルカちゃんと、気弱に冷静に、それを止めるユキノ殿下の漫才がやっぱり面白い。今回は、でっかい石を後ろから喰らわされてますよ。シリアス展開でも、さらっとこんなギャグを入れられるのがこのシリーズの強みかな。