■蟲師16暁の蛇s伊丹アキc峰達也d宮田亮そーとめこういちろうg中村章子西位輝実馬場充子田中将賀日向正樹

マンガやアニメーションで良くある、おっとりとしていてポジティブで天然ボケな、若い母親。
そのポジティブな態様が、ある制限された状況で、生きる為の必須条件として、浮かび上がってくるという、工夫された話。


この回の季節は春。春眠暁を覚えずというお題で、眠りについて、実に魅力的に演出してます。
冒頭、桜散る中、おっとりしたお母さんのねむりこける寝息とか、西の町で父親の別の家族を見てショックを受けて故郷に帰る途中でぱたりと倒れて眠りこける様子とか。
「暖かな風、花の匂い、機を織る音・・・こんな宵は、常ならば。深い、深い、眠りの淵に落ちる為にあるだろうに」


父親が失踪し、西の町で別の家族を作り、母親も不治の蟲におかされて、一番ツライのが、その子供カジ。日々、記憶を失っていく母親を支え、父のことを一人胸の内に抱えて、カジは歯をくいしばって生きて行くのさ。


◇以下メモ。
・このお母さんの声優さんの演技がうまいな。上手そうに団子を食べるところとか。くしゃみにびっくりする様子とか。「びっ・・・くりするわね。急にヘンなことしないでよね」


・記憶を喰う蟲「カゲダマ」巨木の影に潜み同化していて、そこに動物が休むと耳から脳に入り込み・・・宿主はほとんど眠らなくなり記憶を少しずつ失っていく。一定量の記憶を喰うと内部で分裂し、宿主が眠っている隙に外に出る・・・そうデス。