■蟲師07雨がくる虹がたつs伊丹あきc峰達也dそーとめこういちろうg西位輝実色彩設計山下桂子

いや〜、いいな。各話各話で趣向を変えて面白い。
ふわふわとありもしない「虹」を捕まえる為、5年も旅してきた男の、自立の話。非常に象徴的な話です。
人はみな、あるかどうか分からない虹をでっちあげて、探し求めるって、実に青春な話なんだけど、それに逃避しているのでは?って厳しい指摘。


本当は、虹蛇(コーダ)なんて、蟲をださずに、やっぱりそんな存在はありませんでした・・・・という、苦い結末が好みなんだけど、この男の劣等感自体が十分苦いので、まあいいや。
いってみれば自然現象が生命を持ったものだという虹蛇の、圧倒的な光の神秘に触れて、人生観が変わるって結末。地に足をつけて日常を積んでいこう。
この男、虹郎のさばけ具合がこうした世界感の転換をもたらしているんだけど、現実はもっと苦い。


◇以下メモ。
・雨が降ると、とても、とても、楽しげに飛び出していって、何日も帰らないことがあった父親。母親は世間様に顔向けできない恥だとおもうけど、虹郎、大工だったお父さんのことが大好きだったんだね。素朴な心の交流が描かれていて・・・・・俺はダメ。チチオヤを素直に好きだなんてあり得るのでショウカ。
・虹郎は、ふわふわと世間を漂うのをやめ、故郷に帰って父の後を継いで大工になり、父がなしえなかった雨に流されない、立派な橋をたてたとさ。(行方はしらないと、伝聞で語っているけど)


・梅雨時の、晴れの中にしめっぽいにおいがする、雨の予感の雰囲気が良く出ているような気がした。