■蟲師06霧を吸う群s伊丹あきc林宏樹d小田原男g馬場充子色彩設計西尾梨香

たった一日で成長し、そして死んでいく蟲の凝縮された時間感覚を、人間の女の子のセリフと感覚映像とで、魅力的に描写しています。
絵に描いたような悪人の父親にそんな蟲を寄生させられた女の子の選択は・・・・。


こういう、異質な感覚を描いた話は、その世界に飛び移ってしまう魅力の説得力が肝心なんですが、夢見るような憧れに満ちた女の子のセリフと、自然の刻々を描写した映像で、結構上手くいっている気が。



◇以下メモ。
・ギンコさんに、寄生された蟲の戒めから説かれて女の子、海を見ながら静かに言う
「生き神だったころは、日が暮れて、衰え始めて、眠りにつく時、いつもとても満たされた気持ちで目を閉じられたのに。」
「・・・・いまは恐ろしいの。目が覚めてもただ、昨日までの現実の続きが待っている。」
「目の前に広がるあてどない膨大な時間に・・・・足がすくむ。」


「一日一日、一刻一刻が息をのむほど新しくて、何かを考えようとしても追いつかないくらい・・・・いつもこころのなかかいっぱいだったの。」


・モチーフ的には、ダン・シモンズの、ハイペリオンの、宿主を再生する寄生生物に取り憑かれ、何万回も生と死を繰りかえしている一族を思い出しました。彼等は、DNAが次第に劣化していき、未開部族状態になっていましたっけ。
・毎日、老化と死と再生を経験していながら、寄生生物を排除して、普通の人間としての記憶を保っているってのは、ちょっとムリがある気がするけど、突っ込むのは野暮ですね。


・しかし、一ヶ月に一度の大潮の時だけしかたどり着けない島にこれだけの人々、よく飢えることなく暮らしていけるものだとおもったり。貢ぎ物見ると畑の作物が多いので、この島は相当広いのでしょう。