■蟲師05旅をする沼s桑畑絹子c山川吉樹d&g今泉賢一色彩設計山崎朋子

五感シリーズから離れて、物語性が前面に出てきた感じでしょうか。
旅をする沼、沼と一緒に旅をする女の子という、奇想系の話とでもいうか。話の魅力で引っ張っていきます。
スイコという蟲の「なれの果て」が旅する沼らしい。スイコといえば、鬼太郎に出てきた、ゲル状で口から侵入して身体を乗っ取る妖怪が思い浮かぶのだけど(非常に、うろ覚えなんですが、たぶん、そうですよね)、この話のスイコも同じ様なものみたいだ。


◇以下メモ。
・女の子は、龍神様の怒り、集中豪雨を鎮めるために晴れ着を着せられて、人柱にされた。溺れていると、力強い存在に助けられた。其れが生きる沼。
以来、唯一の生きることを許してくれる存在として、常に少女は寄り添って生きてきた・・・・・と言う話なんですが、地下水脈を一緒に移動するってのがイメージわかないですね。この時点では、まだ液状化していないんだし。
・スイコとあまりに一体化すると、存在そのものが液体化してとけだしてしまうそうです。沼が立ち去った後は、その水を存分に吸収した植物が液状化しかけている演出。
・沼は、山から海に向かって何万年もかけて下りていき、ところどころで浮上し息をつき、子孫を残す。そして、海へ達すると死に、その死骸は海に豊穣をもたらす。


・海に達するときには、沼と一体化し、スイコたちが死ぬ様子をこころで感じた女の子・・・・・にしては、その悲痛さがちょっと淡泊だったかも。沼をあんまり擬人化するのもどうかなっていう、シリーズ構成上の配慮なのかもしれないけど、全編を通して、可哀想な女の子を包み込む沼という擬人化を、女の子の思いこみってことで処理しても良かった気がしました。
・「あの沼は数万年生きている。おまえはその最後の旅に同行したってわけだ」「あえてよかったな。」