■絶対少年25世界の皮膜が穴だらけs川崎美羽伊藤和典c望月智充d&g今泉賢一

この物語、基本的に「多少事態を分かっても、状況を見ることだけしかできない」という制約を課しているから、なんかじれったいんだな。アユムにしても、キサにしても状況に介入できず、それを見ながら自分たちの抱えている課題を、ディスカッション、あるいは独白するという構造。
そして、この物語のテーマ「日常は、細部に宿る、一つ一つ丁寧に考えて生きていこうよ。そして、ちゃんと考えたら行動しようよ」って感じでしょうか。
この構造にテーマを掛け合わせてみるとこの物語になるのかな。
つまり、物語も細部にやどる、だから、葛藤のひとつひとつ、言葉のひとつひとつ、人間関係の機微のひとつひとつにこだわって、しかも強弱つけずに積み上げてきたのがこの物語。
しかし、その細部があんまりにも入り組み、微細すぎて、逆に全体が見えなくなってしまったのがこの物語のパラドックス・・・・ではないかと、思ったり。


さて、この回は、みなとみらい地区の巨大円形構造物の直下に、みんながそろって、事態を見守る話。
寒色系と暖色系の闘争が段々激しくなり、ドッシルとシッシンも、キサの新しく生まれたポーちゃんも、寒色系のイーブルにやられてしまいました。
三体そろって何かが発動して寒色系をやっつける的な展開を思わず予想してしまったのですが、あくまで事態を淡々と描写していて、このストイックさが見事。
さて、円盤構造物は降下を始めた様子。
黙って事態を見守るアユム。呆然とするキサ。事態と彼等の様子にとまどうシゲキ、リエゾウ、マッキー。事態そのものにだけ興味を抱くスカワラさん。
舞台も役者もそろって、さて最終回はどうなるのでしょう。


◇以下メモ。
・前回、アユムがわっくんをまねて「来たし。待ってたし」とやったのは、今回は自分がキサにとってのわっくんを演じるのだと考えていたからだと思った。
・前回、今回とシゲキもマッキーが頼もしく変化したと感じている。リエゾウもそんなマッキーが視野に入ってきたみたいです。
・マッキーが、なんかスカワラさんに告白してるんですけど、どうしたんだマッキー。変わりすぎだ。スカワラさん、年下には興味なしと相手にせず。