■新世紀エヴァンゲリオン15嘘と沈黙<Those women longed for the touch of others lip,and thus invited their kisses>s薩川昭夫庵野秀明c甚目喜一d羽生尚靖d助手大塚雅彦g鈴木俊二g補中山勝一古川尚哉設定補磯光雄本田雄

日本テレビ一挙放送第6夜その1/2


◆これまで、ひたすらカッコイイ、燃える、萌えるといった快楽原則に基づいてつくられてきた物語が転調していくきっかけになる回ではないでしょーか。面白かった。


◇「都合の良い時だけ男にすがる女」としてのミサトさんが描かれ、明朗闊達な表面と裏腹な孤立した心理世界と、ある種、絶壁のような他人への違和感を抱えたアスカがよりハッキリと描かれる。これらを言葉だけでなく、キチンと魅力あるエピソードの裏付けをもって描くのが素晴らしい。


◇特に後者。シンジとの「お試しキス」のエピソードや、酔ったミサトを介抱するカジさんの洋服に付いた彼女の香水に拒絶を感じる様子などがヨカッタ。


◆物語的にも、カジの京都とターミナルドグマでのスパイ活動の様子、十字架に貼り付けのアダムの登場、セントラルドグマでゲンドウが秘密裏に行うアヤナミの実験など、物語世界の視点レベルが一段上がった感じでわくわくします。


◇ひととおり1話完結で引き付ける物語群を作り終わり、さて第二段階としてそれらを統合する世界を見せようとしているのですよね。