■東のエデン11さらにつづく東s神山健治カルロス春日c神山健治吉原正行河野利幸柿本広大京極義昭d河野利幸吉原正行g近藤圭一近藤源一郎永島明子西村郁総g中村悟

◆最終回。・・・・ええっ?


◆その存在や行動動機を明確に描いていない「携帯電話に濃厚に接続された人間達」(これ以外の描写で「ニート」を描かず、作中定義の「ニート」を唯一判別する属性としてしまっているけど、こんなんでいいのかしら?)が、増殖する細菌みたいな描写で余り個性を描かずにすっ裸でワラワラと物語の舞台に配置されている。これはこれで絵としてとても面白い。いまだかって見たことがない、とても面白い絵ではあるのだけど・・・・


◆なんというか、この作品が目指したであろう「時代の空気」どうこう言う以前に、ディテールを掘り下げていない「流行りの定型観念」だけで物語が安直に組み立てられた気配を感じてしまった。尺が足りなくて、こうなって居るのかも知れないけれどもさ。


◇たとえば、「ニート」だと作中定義される裸の若者達を指して
「大丈夫あの人達、たぶん二次元にしか興味ないから」とか、
「あいつらは直列に繋いでやれば、結構なポテンシャルを発揮するんだ。きっと迂闊な月曜日の時のようにすっげえ奇跡を思いつく」とか、そんな間接的な言及しかしない。


◇絵の見せ方を含めて、なんだか、シャーレの中で増殖する細菌を遠くから観察しているみたいな演出の手つきだ。それが演出の狙いであり、この作品の味のよーな気もしたけど、でも、むしろ、上から目線でニートさん達を突き放しているような気もして、余り心地よいカンジがしないのでした。


◇作中言うところの「ニート」達の存在が、作品のコアアイデアであり、この回のクライマックスで重要な働きを果たすのだから、「あの人達」「あいつら」をキチンと描くともっと面白くなったとおもうのだけどなあ。


◆しかし、(TVシリーズとしては)ひどい最終回だなー。12人いるというセレソンに対して、それぞれの登場のテンポがゆっくりなので、てっきり2クールものだと思っていたのだけど、コアの謎は投げっぱなし。あとは映画でよろしくね!って。
最近ではダブルオーが、やはり映画に投げて最悪なTVシリーズの閉じ方をしていたけれども、それよりもなお心象が悪かった。


◆あと、自分が「上から目線の権力」を行使しただけで、ミサイル阻止の実行には何も関わっていないのに、自分がやったつもりになって自分に酔っている滝沢くん(指鉄砲の仕草で「バーン!」とか・・・・)の様子がサイテーだと思いました。このシリーズは、結局のところ、誰にも感情移入できなくてとてもとても残念でしたよ。しくしく。