■東のエデン10誰が滝沢朗を殺したかs神山健治菅正太郎c神山健治吉原正行河野利幸柿本広大京極義昭d岩崎太郎g佐々木敦子上石恵美g補佐豆塚隆下村一

◆あー、最近、ネガティブな感想ばかり書いていて我ながらげんなり。
当たりはずれが多いけど、一部の話数が突出して素晴らしいシリーズとか、いろいろ腐してもシリーズが終わってみれば、素晴らしかったりするものとか、ネガティブな感想と褒め称える感想がある程度バランスした状態じゃないと気分が悪いよね。


◇今期、先を見込んで感想を書いていたシリーズで、手元に残ったカードは、ほぼ全滅してしまったんですよ。投資失敗。裏でキープしていたカードも、上手くなかった。
なら書かなきゃいいのだけど、タマに何かを書かないと落ち着かないものだから始末に負えない。・・・という訳で、以下も貶し感想です。ごめん。


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◆あー、とうとう物語を駆動する便利な装置として、昭和の大黒幕とか出しちゃいましたか。そして、現実世界を動かす超高性能コンピュータ!


ニートだとか、既得権益による世代間格差だとか、扱う題材は最近の論壇の流行りを取り入れてビビットではあるのだけど、登場人物群の実在感や(展開の都合に振り回されて)行動や感情の合理性が一貫して希薄なところに、トドメみたいな勢いでとうとうこんな大時代的な物語装置を持ち出してきてしまった。(大時代的な装置は必ずしも悪い訳じゃないのだけど・・・)


◆この物語は、きっと現代日本の閉塞を折り込み語ることを目指したのに違いないのだけど、背景美術以外の作り込み、描き込みが薄くて、個人的には空転している気がとてもしてしまうのです。
描写を伴わないセリフだけのテーマの露頭ばかりで、流行りのキーワードだけを並べているみたいな薄さを感じてしまう。特に「ニート」を連呼しているけど、きっと肝心のニートのことをキチンと描けていないと思います、先生!


◇そうして、私は、この物語自体がどんどん隘路に追いつめられていくのを見ている気がして、とっても息苦しいのでした。せっかくの完全オリジナルシリーズなのだし、なんとか、盛り返すことはできないものか。