■クロスゲーム01四つ葉のクローバーs土屋理敬cこでらかつゆきd関田修g宍戸久美子総g小丸敏之

クロスゲーム
・原作:あだち充
・監督:関田修
・シリーズ構成:土屋理敬
◇4話遅れ


◇(私にとっては)超ダークホース。すごく良かった。
◆今期の新作をチェックする中で、原作付きやオリジナル作品問わず、私個人の好みからはずれた死屍累々の中に、初めて発見した一服のオアシス。


◇あー、ほっとしたよ。淡々とじっくりと時間の流れが演出されていて、素晴らしいテンポ。そのうえで、とてもシンプルな私達の願望を具現化した、あだち充らしい青春妄想物語が繰り広げられます。そして、何よりも素晴らしいのが「死」を起点とした物語だということ。
これだけ物語の吸引力が強いのは今期一番。一挙にたまった5話分を見てしまいました。


◆基本は、いささか古典になったあだち充らしい、脳内青春ファンタジー(幼なじみの少女、何かを秘めているが淡々と状況に流され、ひょうひょうと燻っている主人公。・・きっと、主人公の再起動、そして野球での自己実現へと続くのでしょう。)
主人公を、幼なじみの少女が何かと世話を焼くというあこがれの状況が、身もだえするほど、私を懐かしい気持ちにさせてくれるところに、ひょいと置かれる「死」。


◇この作品のキモは、やっぱり日常描写が地に足がついてじっくりしているところに、「死」を起点とした、懐旧とそれが現在を規定し肯定していくという物語を構造としてガッチリと組み込んでいるところじゃないでしょうか。


◇その点で、この第一話はインパクトが強い。これだけで数年にわたって物語を支える強力な支柱が出来ているんじゃないかしら。


◆私は、あだち充は、「タッチ」のマンガ版ぐらいしか印象に残っていないのだけど、あの「カインとアベル」ばりの嫉妬と後悔の物語は素晴らしかった。この作品は同じく、ふたご同然の存在が幼くして別れる物語なのだけども、物語のキーに「死」を仕込んだ物語として、今後の展開が楽しみっす。


◇しかし、最近全く興味が無くなった野球を題材としたアニメーションにハマルとは・・・自分にびっくりだよ。