■キャシャーン Sins 02世界は断末の声に満ちてs小林靖子c&d山内重保d助手中山奈緒美g馬越嘉彦

◆秀作回。
◆かっては人類を支配していたというロボット達。人類がどこかへ消え、ロボ達にも「滅び」という現象が訪れるようになると、有限の生にせき立てられてマッドマックスな生存闘争時代が到来した・・・・。一方、滅びをそのまま受け入れようとして人間同様の愛を知るロボット達もいる。


◆滅びを受け入れる穏やかなロボ達に、生への妄執をかき立てさせる「キャシャーンという存在」がこの回のポイント。「キャシャーンを喰らえば滅びは止まる」という噂に魅入られたロボ達の、後半の感情と行動の怒濤の反転が素晴らしい。


◇あきらめから希望、穏やかな滅びから生への妄執、善意から悪意へと、すっかり裏返ってしまいます。
そして、キャシャーン自身も、襲ってくるそんな彼らを殺しまくる。ヒーローと悪役すら区別がつかない世界。
「あなたが来なければ、滅びを受け入れたのに。・・・あなたがそんな姿で近づくから!」


◆しかし、世界中が滅びに打ち震えている雰囲気が実にいいね!目の前で元気に遊んでいたロボが突然壊れるところの、ロボ達の怯えた様子だとかツボを突かれまくりです。


◆◆以下メモ◆◆
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・滅びを受け入れるロボ達のコロニーの医者の先生。
「あなたは、錆ひとつない。まだ滅びが始まっていないなんて奇跡です。人には見えないが・・・しかし、ロボットとも思えませんね。・・・・まるで昨日作られたかのように新しい。」(ロボ医師)
「わからないんだ。自分がなんなのか。それに、世界で何が起きているかも。」(キャシャーン


・滅びとは
「体が徐々に錆び始めて、部品交換も修理も受け付けなくなった。当然、新しいロボットも作れません。(・・・)わかりません。ただ、逃れられないことだけは確かです。」(ロボ医師)


・滅びを止めるには
「妙な噂はあります。キャシャーンというものを食べればたすかると。」(ロボ医師)


「私は自分が亡びると知って、初めて生きていると感じました。死があってこそ生がある。永遠だったロボットは死を手に入れてようやく人間と同じになったのです。人と同じように死は受け入れるべきもの。個々に集まっているものは皆、その考えに賛同した者達です。・・・・皆で静かに滅びを待ちます。そんなに・・長くはかからないでしょう。」(ロボ医師)