■コードギアス 反逆のルルーシュR2 25Re;s大河内一楼c須永司村田和也d秋田谷典昭三宅和男馬場誠北條史也d統括村田和也g千羽由利子中田栄治g協力石田可奈坂本修司

◇最終回。
◆ああっ!すみません。やっぱり私はこのシリーズについて行けませんでした。(なので、コードギアス大好き!な人は以下、読まないほうがいいです。きっと、不快になり、「それなら見なきゃいいじゃん!」「死ね!」て言いたくなりますから。ごめん。)


◆おっと、ケナす前に、私がハマッたことは告白しておきます。
◆兎にも角にも、「次回がどうなるの?」的な、ワクワク感のある盛り上げのある作りを、毎回毎回、手練手管を代えてやり続けた脚本の耐久マラソン的な脚力は素晴らしかったのではないでしょうか。私も毎回、次回が楽しみだったし、興味を引き続けるという意味で面白いシリーズであることは間違いない。


◇また、終盤の視聴者や劇中人物に余り説明しない主人公の悪玉感(結局、その行動がタチの悪い善意なのだとはわかる作りになっているのだけど)や、敵味方が目まぐるしく入れ替わるという試みは、(描写として徹底しきれていなかったが)余り見られない作りでとっても面白かった。


◆しかし、キャラクターが「意外な展開」の為のコマとしてしか扱われない場面が非常に多く、また、主要登場人物たちの感情の流れも断層だらけで、これだけの話数を費やしながら、(私は、ですが)感情移入できるキャラクターがいないという、他で余り体験したことがない取り残され感を味わいましたよ。


◇また、肝心のキャラクター達が、「プログラムされた類型物語」を演じているという、作り手の情念の感じられない「薄さ」を常にまとっていたのも私の感じるところでした。


◇そして、かえすがえすも、最終回で明かされたコアのプロットがな〜。
最近ずーっと長いこと流行りの、主人公の内面の解決が世界をも変革するという結末を、主人公の父と母を否定して殺すことでうっちゃる展開は、(制作者の)根性が座っているとおもって結末を楽しみにしていたのだけどなあ。


結局「世界の運命と変革」という超巨大なモチーフを物語の中心に据える時点で、物語としてはかなり分の悪い勝負なんでしょう。


◆個人的には、「ルルーシュ自ら、一身に憎しみを受ける絶対的な悪になり、それを倒す英雄をつくることで世界平和をもたらす・・・・」というこの最終回で明かされたシリーズのコアプロットが、あまりにも小学生の妄想すぎると思ってしまいました。ごめんなさい。(そういえば、ダブルオーも似たプロットですね。ただし、こっちは、英雄はいないし、世界統一されても軋轢の火種は尽きないし・・・・みたいなノリがあるから、まだついて行けるのかも。)


◇世界全体の運命について、おおざっぱに心配で、心配で夜も眠れない少年には、感情移入できる物語かもしれないけど、ささいな感情のズレから起きる日常の軋轢や区別、それが成長して起きる日々の喧嘩やとげとげしい冷たい人間関係、もっと敷衍して背を伸ばして言うならば、戦争や貧困や飢餓とか、ほんの少しでも地に足がついて考えることがあるならば、この結末の極端な能天気さにアタマをかかえることになると思うんだ。


◆ということで、総体的にかなり面白かったが、(私にとっては)ただ「話の骨格」が面白かっただけとゆー、何も残らないシリーズになってしまいました。
わたしが、冒頭ついて行けなかったと書いた所以です。でも、「面白いだけ」が悪いと言っているわけではないんですよ。


◆ところで、ラスト、「実は生きていたルルーシュがC.C.と旅に生きている」という解釈でよろしいでしょうか。(馬車の御者の正面を映さない演出と、その荷台に寝たC.C.が御者の方に以下のセリフの回答を求めるかのような瞳の演出は、たぶん意図的。)
「ギアスという名の王の力は、人を孤独にする・・・・少しだけちがっていたか?なあ、ルルーシュ?」