■神霊狩/GHOST HOUND 11Syntax Error-論理的統辞論に於ける過ち/プログラム・バグ-s小中千昭s協力谷村大四郎c&d筑紫大介g植田実

◆都の父親から語られる大神くんの父親や母親、矢崎町長(このヒト町長だったのか。市議かなにかかと思いこんでいたよ。)とつるんでいた高校生の時代。
学生時代の人間関係の終焉という興味深いモチーフが現在の作中の人間関係や現象にどうかかわってくるかが気になるけれど、相変わらず、ちらーりとしか語ってくれなくて、大いにストレスがたまる。


◇ところで、彼の語る「学生時代の廃病院探検のエピソード」は、彼の口から語られると共に、古森くんと大神くんが傍観者として観察する描写がある。
「魂抜け」して「幽界」経由で「都の父親の脳内」にアクセス、彼のイメージを見ているという解釈にしておきました。


◆さて、この回の亀岩ダムに浮かんだ死体は、この田舎町に隠された人間関係の秘密や、幽界へ侵蝕する/幽界に侵蝕されるという現象を浮かび立たせる転回点になるのではないかとちょっと思った。(ていうか、希望。早く話を動かしてくれよう・・・)


◇下手人が大日本バイオ関係者っぽいし、無理矢理、主要登場人物を死体のあがったダムに集めて、やはり無理矢理、都の父親に過去を語らせる構成の手つきがかなり不自然だしさ。


◆あと、中嶋匡幸くんの父親と鳳センセイの秘密の会話と逢い引きぶりが、王道すぎて非常に微笑ましかった。爆笑。


◇ただ、淡泊なキャラデザ故に、精神的にオカシイとしか思えない鳳センセイの真っ赤なエロドレス姿も全然エロくなくて非常に残念。
その代わり、その太ももを、じっとりと見つめるマサユキの父親の表情が鉄面皮でなかなか萌えた。


◇不倫は世を欺く仮の芝居。と思わせて単なる不倫。と思わせて実は。・・みたいな。


◆◆以下メモ◆◆
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・冒頭、山深く、放浪のおじさんが目撃した斜面を駆け下りる男がダムの水死体みたい。亀岩山山頂付近の大日本バイオから逃げ出して来て、何かの口封じに殺されたに一票。


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・前回古森酒造を取材した、前回初登場の県の広報誌記者だと名乗る男。今回は、矢崎町長を取材。矢崎町長に死体の連絡がはいって「死体」のコトバを聞いても顔色一つ変えないのに注目か。


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・巨大な体育館みたいな「大日本バイオ」の研究施設の内装デザインが、実に寒そうでいやーんな感じ。


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・研究所内の公衆の面前で、まだるっこしい隠微な逢い引きを行う中嶋くんの父親と鳳センセイ。
「なんか警備が厳しくなっていますね。やけに。今日は。」


・カットインされる左手の感覚と右手の制御が連動していない緑髪の唇ピアスの男は、この施設が良からぬ事をしていることの伏線かしら。右手からコードが。


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・主人公三人は、亀岩ダムに浮かぶ死体を見物に行って、別居中の大神くんの母親とばったり会う。大神くん激しく動揺。


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・大神くんの父親について語る都の父親。
「どうして大神は、あの死者のみが通る冥府の道を抜けようとしたのか、あの時は分からなかった。・・・ただ何か、罪に近い行為だという感覚を、ずっと僕は抱いていた。」
「大神が、信くんが小さいころに自殺した理由は、僕も知らない。ただ・・・そういうことになるんじゃないかっていう漠然とした感覚だけはあったんだ。」