■機動戦士ガンダム00 12教義の果てにs黒田洋介c&d角田一樹_キャラg松川哲也_メカg有澤寛

◆またしてもシリーズ全体通しての物語バランスが難しいと思った。
「アザディスタンの内紛を鎮めるには誘拐されたマス・ドラフマディ氏を保護し、全国民に無事を知らせる必要があります。」(ソレスタの現地司令官を兼ねるらしいワン嬢)


◇今まで政治的な勢力の駆け引きとか、それぞれの一理あるなし、戦闘の文脈に関係なく、世界各地で乱暴に無分別に戦闘勢力をぶちのめしてきたのに、このアザディスタン王国に対する特別扱いはなんですか・・・・・とかなり気になったけど、まあ話に幅を持たせるためにしょうがないか。


◆また、ワン嬢の専用飛行機が、レーダーに探知されて迎撃されることなくこっそり砂漠地帯に降下しているのがものすごく気になった。乗せているガンダムさんがGN粒子を散布していたと脳内補完しておくのかしら?


◇全般に、このシリーズは、「世界各国へ出張っていく」行為に対して無邪気すぎるんだよなあ。
レーダーに探知されない超ステルス技術があるにしても、目視はされるんだし。
まあ、こんな事に気になっている私がヘンなのでしょう。。。。


◆しかし、実はこの回の主題的には、それらはどうでも良くて、ラストのセツナくんの独白
「オレはガンダムになれない・・・」
が、脚本的には一番押さえて欲しいセリフだったんじゃないかしら。


◇自分の過去に直結した、自分の過去の過酷な体験を追体験するような虐殺のあとを見るとき、「ソレスタルビーイング」という組織の理念に含まれるであろう「私的な感情、感傷、因縁の滅却」がオレにはできんっ!というセツナくんの魂の叫びなんじゃなかろうか。


◇これは、彼が次第にソレスタから離れていくベクトルの伏線の様な気もするので、注目ですね。


◆ところで、「あえて言わせて貰おう。グラハム・エイカーであると!」のあたりのグラハムさんとロックオンさんのヘンなセリフの応酬合戦が、この回の爆笑ポイント。
かなーり笑えて癒された。力の入ったメカ作画がかすんでしまった。


◆◆以下メモ◆◆
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・冒頭のナレーションによる、アザディスタン王国を取り巻く状況説明。
「中東、そこに位置する多くの国々は、石油輸出産業で経済を支えていたが、太陽光発電システムの建設計画により、その存在価値を失おうとしていた。」
「国連決議により、一部を除いて大幅な輸出規制が採択され、それに反対する中東国家の一部が武力を行使。戦火は拡大。・・・これが20年続いた太陽光発電紛争である。」
「この紛争で疲弊し、世界からも見放された多くの中東国家は、貧困から分裂や統合を繰り返している。・・・それが現在の中東の現実であった。」


カスピ海ペルシャ湾に挟まれたアザディスタン王国も、そんな事情を抱えた中東国家のひとつである。内政の悪化した隣国、クルジス共和国を6年前に吸収。新興国家として王制を復活させたが、国教の解釈の違いにより、国民は大きく2つの教派に別れ、政治的に不安定な状況が続いていた・・・」


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・マス・ドラフマディ氏は、アザディスタン王国の宗教指導者で保守派の重鎮らしい。この国の政治を握る改革派へのクーデターの口実として、極右勢力(劇中のコトバで言うと超保守勢力)が彼を拉致監禁


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・アザディスタンは内紛が進行して、クーデター軍が王宮に迫る。危うし改革派のマリナ姫。


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・国連の援助で建設中だった太陽光発電システムの受信装置は、反対する保守派の武装勢力に破壊されてしまいました。


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・自分の太陽光発電システム誘致活動が内戦を招いてしまったと悲嘆にくれる姫様。
「私のしたことがこの国を戦いに導いてしまった・・・」