■DARKER THAN BLACK -黒の契約者-24流星雨s砂山蔵澄c岡村天斎d千葉大輔g高橋久美子根岸宏行

◆「契約者」の地上からの消滅をもくろむ「組織」と、それを阻止し逆に「人類」に災厄をもたらそうとするEPRとの戦いが始まった・・・という話。
◇前回、「組織」に切り捨てられたヘイ達のチームが、事態の真相にどう肉迫し、「組織」そして、EPR=アンバーとどのように対峙していくかというのが興味の焦点。


◇話が劇的に進展し、主要キャストの運命も変転して、大いに盛り上がるはずなのだけれども、・・・ワタクシ的には、なんだかもやもやしたものが残ってしまって、見てから1日ほど放置していました。


◆これはなんなんだろうなと思うに、ひとえに物語の中心アイデアである「契約者」が「何者であるのか」、そして闘争の理由である「契約者の人類に害悪をもたらす度合い」、が(これまで)上手く語られていないがゆえの宙づり感なのだと思いました。


◇このシリーズは、重要なことは十分に語らずに視聴者に悟らせようと言う演出(この辺りの脚本・演出の志の高さはこの作品の素晴らしいところ)を特徴としているので、その辺りは十分察してくださいというのかなあ。
(まあ、大方、察することができないワタシがボンクラなのでしょう)


◆特に、前者、「「契約者」という存在」については、いままでの(10人以上の契約者の)エピソード群で悟ってくれと言う物語作者側の意向だと思いはするのだけど・・・・・「契約者」のあり方が余りにも千差万別すぎてやっぱり良く分からないや。そもそも、千差万別である理由がワタシが一番知りたいところだよなあ。


◇あと、「対価」。ワタシは、「脅迫神経症的な精神的なモノ」だとすっかり思いこんでいたけれども、アンバーは物理的に若返っているみたいだし・・・あーん、すっきりしないよう。


◆後者については、作中、世界情勢を言葉で語るだけだったのが、ひとつ俯瞰的な腑に落ちた視点をワタシが持てない理由かなと思った。
実際に活劇する物語の舞台は、主人公周辺の狭い世界に限定されていた。視点がとても低い。


◇一番の燃える理想展開は、話が進むに連れて主人公に寄り添って物語的な視点が上がり、「組織」にしろ、「世界の仕組み」にしろ、「契約者の存在理由」にしろ、統合的な説明が徐々に明らかになるという形だと思うのだけど、主人公のヘイはこの回ですら、それらを殆ど把握していない。
(物語全体を見渡しても、「組織」や「破滅的事態」については今回キリハラ課長に説明する形で明らかにされたが、「世界の仕組み」や「契約者の存在理由」は、まだ殆ど説明されていない・・・)


◇ヘイは、ただ「「組織」に裏切られた」という事実と、「アンバー憎し」「妹はどこに消えた」という中心行動原理、それに「どうやら「組織」は契約者を消しにかかるらしい」「アンバーはそれを阻止しようとしているらしい」という伝聞を心に秘めているだけだもの。


◆残りの話で劇的に目から鱗が落ちる瞬間が訪れると素晴らしいのだけれども、どーなるでしょうか。
また、アンバーの目的が明確な一方で、ヘイ達はどんな行動を選択するのか、というのが強烈に興味を引いて、以下次回。・・・ってカンジでしょうか。



◆◆以下メモ◆◆
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・エリック西島とシュレーダー博士が、起きている事態をキリハラ課長に説明する。いち課長に、親切に説明する理由が若干腑に落ちないけどまあいいや。
「その当時のメシエコードBK201は別の女性を示すナンバーだったはずだ。」(シュレーダー博士)


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・EPRがおこそうとしている破滅的事態についての説明。
「我々はずっと彼ら(EPR)と闘ってきたんです。(・・・)・・・東京エクスプロージョン、我々はそう呼んでいます。南米の時と同じ規模でエクスプロージョンが起きた場合、日本列島は全て不可侵領域に呑み込まれあらゆる存在が虚空に消えることになります。」(エリック西島)


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・EPRに対抗するため、パンドラが研究してきた破滅的事態を防ぐ方法。どうにも飛躍感が否めない気が・・・
「どうやって防ぐというのです。」(キリハラ課長)
「ヘルズゲートを対消滅させるのだよ。」(シュレーダー博士)
「(・・・)ヘルズゲートを取り囲む壁は、侵入者を防ぐ為にだけあるわけではありません。アレは、あるものを守る為の堅牢な要塞なのです。・・・(そこにあるのは)サターンシステムです。」(エリック西島)


「大黒斑は発生から45日目に面積を最大とする最終段階を迎え、約30分、その状態を維持する。・・その30分の間にこのサターンリングで生成加速した反ゲート粒子をヘルズゲート中心核に打ち込めば・・・」(シュレーダー博士)
「ゲートは対消滅する・・・」(キリハラ課長)
「ちなみに、BK201が東京エクスプロージョンを起こせるのも、この最終段階に限られておる。」(シュレーダー博士)


「おもしろいだろ。この30分を巡って人類と契約者の戦いが繰り広げられてきたんだよ。・・・世紀の瞬間まであと5時間27分。」(シュレーダー博士)


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・ヘルズゲート消滅に伴う契約者の運命。
「ヘルズゲートとヘブンズゲートは表裏一体なんだ。片方を塞いでしまえば、もう片方も消える。」(シュレーダー博士)
「ゲートが無くなると契約者はどうなるのですか。」(キリハラ課長)
「全員溶けて消える。・・・この砂糖の様に。(・・・)ほんとだよ。実験したんだ。」(シュレーダー博士)


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・「契約者」の人権を主張するキリハラ課長。それに対するエリックの反論。
・しかし、そもそも「契約者」を地上から抹殺しようと思わなければ、5年前も、そして今回の事態も生じなかったような・・・・。「契約者を抹殺する必要性、動機、政治的運動」みたいな点に関するモノガタリが、ワタシ的は是非欲しいとおもってしまう所以です。
「契約者といえど人間です。その全てが犯罪者というワケではない。」(キリハラ課長)
「では、数千人の契約者のために、数億の人間を犠牲にしろというのですか。」(エリック西島)


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・「向こう側の人間」だった宝来部長。彼とキリハラ課長の対話。やはり、世界の政治情勢はこの程度の抽象度でしか語られない。
・キリハラ課長が、BK201が組織の人間だと思う理由が、すみません、ワタシには良く分かりませんでした。
「国連管理下の一研究機関に過ぎないパンドラに数億の人命を左右するような作戦を単独で実行する権限はない・・・・ここで行われていることはあきらかな越権行為。犯罪です。・・・よほど巨大な力が、国家の枠組みを超えた意志がなければ、いままで隠匿できなかったはず。・・・ノーベンバー11が追っていたのは、そんな途方もない力を持つ組織だったのですね。」(キリハラ課長)
「(・・・)あらゆる国の諜報機関、政府、権力者に組織の手は及んでいる。世界の秩序を守る為に。」(宝来部長)
「・・・もしや、BK201も?」(キリハラ課長)
「BK201、コードネーム、ヘイ。彼も「組織」の人間だ。・・・もっとも今は姿をくらましてしまったがね・・・」(宝来部長)



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・ホァンは、囮で逃げて柄にもなく・・・ベタベタだけども泣ける。
「悪いな・・・オヤジ一人しかいなくてよ・・・・・・へっ」


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・第3〜4話登場の舞ちゃんが「組織」の尖兵としてEPRを攻撃。しかし、アンバーの時間遡及により、アマギリにすぐやられちゃいました。
・アマギリは、サターンリングシステムを破壊するが、瀕死の舞により焼死?


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・しかし、・・・なんというか、ゼメキスのコンタクト並みの脱力展開・・・
「破壊されたリングはいわば囮。予備があることはトップシークレットだったのです。」(エリック西島)


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・EPRが大量のドールを集めていた伏線をマオのセリフだけで回収。「流星のカケラ」の使い方も、あれだけ思わせぶりなエピソードをいろいろ置いていたのに、これだけなのかしら。
「パンドラのサーバに侵入して昔の論文を漁っていたんだが(・・・)面白い論文を見つけたぞ。ドール単体では何を媒介にしようとも観測霊をゲートの奥に侵入させるにはかなりの苦痛を伴う。・・・だが、大量のドールをリンクさせ流星のカケラで能力を増幅させるシステムを作れば、ゲートの中心近くまで観測霊を侵入させられる可能性があるって話だ。」(マオ)


・ヘイ達を導いた後、EPRのドールシステムは、パンドラに位置が感知されて破壊されてしまいました。


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・マオ、サーバとの通信が切れたのか、野生にかえって・・・・。うう、猫ちゃん・・・