■DARKER THAN BLACK -黒の契約者-06災厄の紅き夢は東欧に消えて…(後編)s菅正太郎c岡村天斎d山本秀世g石井百合子

面白かった。
◇いつものように、ゲストキャラの女性が、ひどい目に遭う話。(このシリーズの縛りなの?)
だけど、この回、ゲストの<契約者>の過去は、主人公ヘイの過去に直結。彼女の言葉から、ヘイの現在の情を交えた酷薄さと、過去の冷酷さを微妙に照射する脚本は、陰影に富んでいて、見応えがあったのではないかしら。


◇また、そのメインの劇に、「壁の向こう」と<契約者>の関係や、そも<契約者>とは?という謎を、ドラマと密着させて小出しにする演出も素敵です。
この説明しすぎずに、毎回少しずつ謎へのヒントを提示していくという趣向は、これまで結構成功しているように思いました。
地をはい回っていたのが、山頂に近づくに連れて段々見晴らしが開けていくカンジ。物語は、未だ、尾根にも森林限界にも達していないけど、段々パースペクティブが広がってきたような気がする。


◇あと、この回は、ヘイとヘイの属する組織との利害衝突が顕わになり、また、ヘイの属する「謎の組織」の正体を暴こうというMI6の強い意志が示されて、日本警察を含めて4つ巴の構図を予感させて盛り上がって来ました。


◆◆以下メモ◆◆
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・ハボックを拷問するヘイ。
「お前はあそこにいた。南米が消えたあの日・・・お前もアンバーも、・・パイもいた。あの場に・・何があった?何故、お前と俺だけがここにいる?・・奴らはどこだ。パイは、・・妹はどこだ?」(ヘイ)
「私は、彼らの仲間ではない。・・・アンバー達のことは何も知らない。彼らが今、生きているかどうかすら、知らない。・・・組織からの命令を遂行するため、あの日、確かに私は南米のあの場所にいた。・・・だが、アレがおこった後のことは何も覚えていない。・・・意識を取り戻した時には海を越えたヨーロッパの片田舎にいた。・・・そして何故か、能力を失っていた。それからは、一歩も街の外には出ていない。・・・ただ生きていただけだ。組織とも、契約とも無縁の・・静かな日々を。」(ハボック)


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・ハボックが語る。
「契約者でないくせに、誰よりも冷酷だったお前が、黒の死に神とまで恐れられたお前が、契約者になった今、たかが妹の為にこんなに我を忘れている。」(ハボック)
「感情的ではあるが、「モラトリアム」のように精神的に不安定ではなく、対価を支払った様子もない。・・・お前、本当に契約者なのか?」(ハボック)
「お前に協力しよう。・・私をゲートに連れて行け。そうすれば、能力とともにあのときの記憶も戻り、お前の妹の行方がつかめるかもしれない。・・・ただし、一つだけ約束して欲しい。もしも・・もしも昔の私に戻るようならば、その場で殺してくれ。」(ハボック)


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・ハボックの契約の対価は、子供の生き血をすすること。


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・ゲートへ向かうヘイとハボックを追う、霧原刑事とノーベンバー11の会話。
「それにしても、ミスター201は、何をしているのでしょうか。ハボックは殺されるとばかり思っていたのに。」(ノーベンバー11)
「何故ですか?」(霧原刑事)
「さあ?彼女が記憶を取り戻すと、いろいろ都合のわるい「謎の組織」が存在していて、201は、その刺客である・・・とかね。・・でも、彼女は殺されていない。しかも、彼女はパンドラ同様、彼女をゲートに連れて行こうとしている。契約者たったひとりで。・・・謎です。」(ノーベンバー11)