■ゲゲゲの鬼太郎02ビビビ!!ねずみ男s三条陸cd角銅博之g藪本陽輔

◇悪くないかも。話としての新機軸や、あっと驚く仕掛けは見あたらないが、水木先生のキャラクターが、堅実な勧善懲悪なシナリオに乗って、不必要に現代に媚びずに提供されているだけで、結構奇跡のような気がしてきた。。。


◇妖怪という素材を扱う時点で、現代文明批判系の物語装置は、あらかじめ内蔵ですよね。この回では、森ビルに代表される大規模再開発による、地域社会破壊、歴史破壊について、簡単に批判するシナリオになっています。
かねてから、不思議に思っているのですが、(ワタシの視野が狭いだけかも知れないのだけど)誰も、地域社会と景観、地形もろとも、根こそぎ破壊する東京の大規模再開発を批判しない。マスコミ様は、完成した近代的な建物を褒めそやすばかり。


◇東京という都市に、もはや地域社会って残ってないじゃんという事なのかも知れないのだけれども、近くは江戸時代、遠くは縄文、旧石器の時代からの由緒ある地形を完膚無きまでに破壊することに、誰も、躊躇いを感じないみたい。


◇おそらく、東京を故郷とせぬヒトビトには、東京の土地は、お金を生む装置、煌びやかな資本主義のショーウィンドウとしての役割を極限まで果たすことを要求するのだろーなと思う。
だけどねえ、東京以外に故郷を持たぬ存在には、子供の頃遊んだ場所がカンペキに地上から消滅、ご近所の知り合いも根こそぎ消滅、馴染んだ地形すら徹底的に掘削されてコンクリートで固められている・・・って状況は、結構寄る辺無さを生むのですよ。このこころもちをどうしてくれる。


◇ああ、なんか、作品と関係ない愚痴になっちゃったけど、「我々は、日本経済の将来のために、再開発によって東京を香港だのシンガポールだのに肩を並べる魅力的な都市にする大きな役割を担っている」なんて、世迷い事をおっしゃっている前記の不動産会社社長の誇大妄想なインタビューなんかを読んだりするたびに、反感を感じていたので、ここに記してみました。