■N・H・Kにようこそ!22神様にようこそ!s西園悟c&d鏑木ひろg長沼範裕

1話遅れ。
◇虐待されて要らない人間と言われて育ち、それゆえ自分が役に立たない人間だと思い、だったらせめてヒトを助けて自分が役に立つことを実感したい。
・・・・ミサキちゃんがそう言う思いをこころに抱えていることが語られ、典型的なメサイアコンプレックスであることが明示される回。
なんだけど、それにとどまらず、一歩進めて、彼女の「プロジェクト」、サトウくんの引きこもり脱出を助ける理由の一端がBパート最後に仄めかされます。
「きっと大丈夫。完璧だよ。・・・これだけ長い時間をかけて、プロジェクトを進めてきたんだもの。サトウくん・・・・・サトウくんはもう・・・わたしの虜だよね。」


サトウくんに健気に尽くしてきたように見えたミサキちゃんも、「カワイイのは自分だけ」そして「自分がラクになる為に功利的に行動している」にすぎないというシニカルな行動原点が見えてきて、(個人的には)非常に嬉しい。見てきてヨカッタ。
いままで、時々演出の表面に出てきていた、サトウくんを見下す視線は、ちゃんと物語的に意味があったのですね。また、そう言う意味で、感情の起伏無く、淡々としゃべるミサキちゃんの声優さんの演技も意味があった。


この回、Aパートを見ていて、(毎日食事を作ってもらったり)あんなに尽くされているのに、ミサキちゃんに過剰に冷たいサトウくんの酷さを突っ込もうかと思っていたのだけど、サトウくんはミサキちゃんのそういうところを敏感に感じ取っていたってことなんじゃないかなと思い直してみました。


◇Bパート後半の公園での夜のカウンセリングでは、そんなミサキちゃんの妄執が言葉としてあふれ出し、非常にいいカンジです。
「・・・・これを見ても明らかなように、楽しいなー、とか、生きてて良かったなーとか、そんな幸せなひとときは、人生の一割にも満たないんです。」
「神様を信じるヒトは、この世界は神様が作ったと言っています。・・・つまり、こんな苦しいことだらけの世界を作ったのは、神様という事になります。」
「こんなひどい世界を作った神様が、いい人であるわけがありません。・・・神様は悪いヤツなんです。間違いありません。」
「・・・だから、どうすればいいか、本当はわかって居るんです。・・・・神様を、倒せばいいんです。」
「意地悪な神様が居なくなれば、この世はきっとステキなものになるハズなんです。・・・問題は、神様がどこにいて、どうやれば倒せるか、・・・わからないってことで・・・・・・」


この本気とも冗談とも、つかないミサキちゃんの陳述は、やがて、自分自身を絶えず責めさいなむ、ミサキちゃんのこころに内蔵された、「存在の罪の意識」にたどりつくのでした・・・・
「・・・・あたし、想像力貧困だから、他の人みたいに上手く神様を信じ込むことができない。・・・聖書かなんかみたいく、目の前ですごく派手な奇跡、起こしてくれればいいのに。そうすれば、神様だって信じられるのに。」
「信じられれば、・・・悪いこと全部、神様のせいにできるのに。・・・・・そしたら、わたしは悪くないって、・・確信できるのに。」


◆◆以下メモ◆◆
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・カウンセリングの期末テストといって、大晦日に渋谷の街へ初詣にでかけるミサキちゃんとサトウくん。二人ははぐれ、サトウくんは、先輩とばったり再会。
・ミサキちゃんが必死にサトウくんを捜しているのを尻目に、その存在を完璧に忘れ、バーや居酒屋で酒飲んだり、ラブホテルの前で若干いいカンジになりそうだったけど、ヘタレサトウくんは何もせずに、永いお別れ・・・・
「サトウくん・・・生きていて辛くない?・・・あたしは辛いよ。・・・不倫とか、しよっか・・・?」


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「わたしは要らない人間なんかじゃない。・・・さとうくんは私を必要にしているの。・・・絶対に。」


「そうだよ。サトウくんは食べ物にも困るようなダメ人間だもの。・・近くにいるわたしの存在が、必要不可欠なはずだよ。」


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・冬の公園のカウンセリングで、ミサキちゃんは、サトウくんに遂に心のコアを述べ出す。
「今日は、神様についての講義をしたいと思います。・・・これを見てください。人生の苦しいことと楽しいことの割合をグラフにしてみました。
・・・・これを見ても明らかなように、楽しいなー、とか、生きてて良かったなーとか、そんな幸せなひとときは、人生の一割にも満たないんです。
「神様を信じるヒトは、この世界は神様が作ったと言っています。・・・つまり、こんな苦しいことだらけの世界を作ったのは、神様という事になります。」
「こんなひどい世界を作った神様が、いい人であるわけがありません。・・・神様は悪いヤツなんです。間違いありません。」
「神様は、ワルモノだから、何かとイジワルをするんです。」
「・・・だから、どうすればいいか、本当はわかって居るんです。・・・・神様を、倒せばいいんです。
「意地悪な神様が居なくなれば、この世はきっとステキなものになるハズなんです。・・・問題は、神様がどこにいて、どうやれば倒せるか、・・・わからないってことで・・・」


「・・・・あたし、想像力貧困だから、他の人みたいに上手く神様を信じ込むことができない・・・。」
「聖書かなんかみたいく、目の前ですごく派手な奇跡、起こしてくれればいいのに。「そうすれば、神様だって信じられるのに。」
「信じられれば、・・・悪いこと全部、神様のせいにできるのに。・・・・・そしたら、わたしは悪くないって、・・確信できるのに。」