■涼宮ハルヒの憂鬱07ミステリックサインsジョー伊藤c&d石立太一g西屋太志
この回も、面白いなあ。モニター越しに撮影したという前提の、冒頭の、なによふん!見たいなハルヒさんの表情の細やかな作画に代表される、仕草の作画も今回も素晴らしいし、なによりギャグとしての話の機能の仕方がやっぱりおもしろい。
何をしでかすか分からない、オカシナ少女を遠巻きに観察しているという構図が鮮明な今回。(今回も?)
主人公ハルヒさんは、SOS団のホームページに自分が考えたヘボイ紋章をアップするなど、文句たらたらで高飛車な言動と、一人での意味不明の盛り上がりなど、やりたいことやってこの回の舞台からさっさと降板。(・・・・ハルヒさんの分裂&躁ぶりがこのシリーズのキモですね。ワタシも難癖つけられたいなあ。)
ハルヒさんは、その異常なる日常の行動の結果、世界と空間に影響を及ぼし、しかしその及ぼした影響を、決して知覚しないのでした。・・・・面々は、事態を恐る恐る観察し調査し、世界に生じた綻びを密かに処理するのでした・・・・・って話。
そんな大げさかつ卑近な物語的バックボーンを、SF的な語彙で冷静に説明。そして、その馬鹿げて大げさな世界設定に、日常の小世界からのツッコミを入れまくるキョン少年という構図が、今回もまた冴え渡ってます。爆笑どころ多数。あー、おかしー。
あからさまなドタバタではないけども、淡々とした静的なスラップスティック喜劇とでも言いたい気がしてきたけど、違うかしら。人間がドタバタするんじゃなくて、世界がドタバタするの。
◆◆以下メモ。◆
・SOS団のWEBページのアクセス数アップに、「せっかく、ミクルちゃんのエロ画像で客を呼ぼうとおもったのに・・・」・・・・・恐るべし。
しかし、その代替が「だから考えたの。SOS団のシンボルみたいなものをはりつけたらどうかって。」と、結びつくのが何ともアレな感じで素敵。普通の話の脚本だったら、飛躍しすぎだけど、これがこのキャラクターですものね。
・部室のドアをノックして入ったキョン少年。ノックの行為をハルヒさんに非難されてキョン少年の心の声。
「あのうかつで愛らしい方は、なかなかドアを施錠することを覚えないからなあ」素晴らしいコメント
・失踪したコンピュータ部の部長の家に押しかける一同。
「なんとかあけられないかしらねぇ」と言って、部長の家のノブを回した後で、ドアホンを鳴らすハルヒさん。「順序がぎゃくだろ」と、キョンの奥ゆかしいココロのツッコミがオカシカッタ。
・部長の部屋の中で、真面目な顔で、「閉鎖空間」みたいな、奇妙な違和感を感じます。ここを出ましょう、と古林さんが言っているそばで、天真爛漫に気ままなハルヒさん。
「ワラビモチはっけーん。賞味期限が三日前になっているわ。もったいないから食べましょう。」
「さあ、みくるちゃん。あーん。」
・・・・・しくしく泣くミクルちゃんに、ワラビモチを平気な顔で満足げに食べているハルヒさん・・・・このくだりがおかしくておかしくて。
・閉鎖空間ってなんなんでしょうね。古林さん曰く、涼宮さんが発生源なんですって。長門さんは、今回のこの現象は違うといっているよ。
「似て非なるもの。ただし空間データの一部に涼宮ハルヒが発生源らしいジャンク情報が混在している。」
「彼女がトリガーになっただけ。」
・異空間に取り込まれて、巨大カマドウマに対峙して。
(「こいつらは自分を護るすべを持っていそうだが、オレと朝比奈さんは安心できない。」)
「光線銃とかもっていないんですか?」
「うんう、武器の携帯は厳禁です。危ないですぅ。」
(「それはわかるねぇ。この人は武器を持たせても役に立たないどころか、電車のなかに忘れてきたりするかもしれないからなぁ。」)
あー、朝比奈さん、素晴らしい。
「オレは腰にまとわりつく朝比奈さんのおかげで、どーにかなりそーだー。行動範囲も奪われ、逃げられないっ」
・SF的説明が、バカで素敵すぎる。
「約二億八千万年前の事になる。地球に降下したそれは、地球に自分が存在できるような手段がなかったため、自己保存のための冬眠についた。」
「人間によって、コンピュータネットワークが生み出されると、それは半覚醒状態になり、そして、通常の数値でははかり得ない異界の情報データによってめざめた。」
・・・・異界の情報データ、SOS団のヘボな落書きみたいな紋章・・・・・
・「この紋章は地球の尺度に換算すると約436ペタバイトの情報をもっている。」
あー
・「たまたま書いたシンボルマークがそれほどのものだったなんて・・・まさに。涼宮さんですね。」
・・・・って、古林さんが、冷静に、ハルヒさんを誉めるのがなんというか、やっぱバカすぎて素敵だ。
・長門さんが最後の読んでいた本が、神林さんの「膚の下」の単行本版の様な気がしたのだけど、字も潰れているし、たぶん気のせいですね。