■エウレカセブン43ザ・サンシャイン・アンダーグラウンドs大野木寛c&d阿保孝雄g板垣敦内田シンヤ吉田健一スタジオアドg補佐中谷誠一中田栄治

なによりもデューイ大佐の父殺しのエピソードが、物語的に唐突なのが残念。
初期OPを始め、デューイ大佐が読んでいたフレイザーの金枝編という小道具で匂わせてはいたけど、設定とか物語に直結するカタチで描写されたことはなかったはず。
もちろん、振った以上は回収していただかなければならないネタなんですが、なんだか直接的すぎて、あっさりしすぎだな。
デューイは、父も殺し、三賢人も殺し、そしてこの世界の王であるスカブコーラルも殺す。その先には・・・・


また、「人類をこの惑星に導いた一族」の血にまみれた土俗と没落、という、魅惑の血脈の物語をせっかく用意していたのに、なんで物語上、まったく生かさなかったんだろうか。あーもったいない。
「実は、前から設定されていて、ちらりちらりと言葉や小道具で示していたけど、物語に織り込んでは示さず、ある時突然、一話限りで展開される」このシリーズ特有の作劇パターン?がよく出ているカンジ。


◇以下メモ。
レントン、グレートウォールを越え、ゾーンを越えてたどり着いたのは・・・、ここは地球?エウレカ世界の惑星から地球に転移したのでしょうか。ゾーンは転移ゲートみたいなもの?


・「約束の地」だという、この地にたどり着いたものの、何をするのか、何をしていいのかさっぱり見当がつかなくなったレントンエウレカレントンが大人げなく「なんでキミにわからないんだ!おかしいじゃないか!」みたいな勢いで、エウレカに詰め寄ったりしているんですが、いままで描いてきたレントンはもっと大人で包容力があるように成長していたはずなんだけどな。ギスギスする二人。


・ノルブは「地球概論」という本を残していったので、グレートウォールの向こうに「地球」があることは知っていた模様。


エウレカ琥珀の中に見つけた、RtoEの刻印がある指輪は一体。ここは、エウレカ世界から、さらに未来の地球とかいいださないでしょうね。


・売り言葉に買い言葉を後悔し、一人ニルバーシュに寄りかかっているエウレカの腕が発光していて・・・次回


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・冒頭の、抗体コーラリアンの惨状をみながら、ドミニクが、こんなはずじゃなかった。この世界は、僕の望んだ世界じゃないといって大変弱気になっております。大変健全な、まっとうな感想です。
大変健全なドミニクさんが、大変不健全なアネモネさんに懸想しているってのはどういうことでしょうか。弱々しい彼女を僕が助けてあげたいみたいな気持ちなんでしょうかね。
・キスしてアネモネにぶん殴られるドミニクは情けなくてとっても素敵だ。
・でも、デューイ大佐の白髪に怖気を感じ、「ドミニクどこにいるのよ。早くむかえにきなさいよぉ」とでかい声で叫ぶアネモネだったりする。


・ドミニクはとうとう、「ワルサワにてジエンドの次期ライダーの選出」をデューイ大佐から命じられて、飛ばされてしまいました。
アネモネ。ごめん。だけど君を救うにはこの方法しか」とひとりごちているんですが、どうするんだ。


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・旧権力者である、軍人と貴族を招き舞踏会をするデューイ大佐。ワルツでアネモネと踊り、独白します。しかし、明らかにアネモネに語っても意味はない。あ〜あ、せっかくの設定語りなのにさびしいじゃナイデスか。


「(私の一族は)ここにいる全てを導き、宇宙へと旅だった一族の末裔なのだよ。しかしこの星で与えられる王冠は生け贄の王だ。荒ぶる大地を鎮める為の。」


ホランドは母を殺してこの世に生を受けた。父はそれを証しと取ったようだ。贄の王としてのね。」
「なのに父は、ホランドに何もさせなかった。だから私がやらなければならなかった。あの儀式を。」


「(父を殺した後)その時私は儀式の真の意味をさとった。それは父殺しの儀式だったのだ。」
「子が親の血を大地に流し、大地を鎮める儀式だったのさ。」
「そうか、父はホランドが生まれながらの母殺しだったから何もさせなかったのかもしれない。生まれついての贄の王か」


(儀式の後、地殻変動が重なって)「まるで大地は私をみとめないかのようだった。そして大人達も。」
地殻変動は資格なき者が儀式をおこなったからだと断定し、彼等は我々一族に与えられていた特権を剥奪した。」
「それでも私は贄の王だった。たった一人の。そう、たったひとりの。」


「それが道化の冠に過ぎないことを科学的に証明してくれたのがアドロックだよ。贄の王は死に、科学の王が現れたのさ。」
「わたしはのろったよ。あんな欺瞞に満ちた儀式で大地が静まると信じていた連中を。そして何より自分を。この身体の中に流れる血を。」
「だから清める必要がったのだ。贄の王が真の王になることによって。」