■天保異聞 妖奇士22帰ってこないヨッパライs會川昇c福田道生d土屋日g枡井一平

◇この回も、主要登場人物中心の物語仕立ててで、バランスがよかったんじゃないだろーか。
普段生真面目な小笠原さんの酔っぱらった時のチャーミングさなど、奇士の面々のキャラクター性をカナリ重点的に演出していた気がした。


◇惜しむらくは、(本来重点的に語りたかった主題であろう)藩の命運を守る為に、理不尽に切腹させられる岡田さんに同情を寄せるアトルの物語がものすごーく駆け足になっちゃったところかな。(今までのノリだと、奇士一同は脇に放置して、岡田さんの物語を中心に語っていたはず。)


アトルは、彼を異界に逃がそうと考える。しかし、異界の扉を開く為には、現実から逃げたい思いが募るあまり、妖夷を招いた女の子を、さらに残酷な絶望に突き落とす必要があるとお稲荷さんに迫られ、断念するのでした。
彼女は、苦渋に満ちてラストで呟く。
「面白いか・・・・?この世は?」


◇岡田さんに拘りまくるアトルがいささか唐突。アル中のオヤジを持つ、妖夷を招いた女の子の悲惨な境遇の描写も不足気味で、(個人的には)物足りないけれども、(キチンとネガティブに締めてくれたことだし)一話完結の話としては、悪くないと思いました。


現実社会にどこにも逃げ場がない人間を異界に逃がしてやろうと思うアトルなど、ここへ来てようやく異界と積極的に関わろうという話が出てきて、盛り上がっていきそうな気配があるのだけど・・・・・・・終わりなのかなあ。