■ガン×ソード26タキシードは明日に舞うs倉田英之c久城りおんd谷口悟郎Cg木村貴宏Mgまさひろ山根
最終回。非常にシンプルになってよかった。
ヴァン(・・・いままでバンかとおもっていたらヴァンだった。)の愚直な行動が、かぎ爪の男の妄想電波に打ち勝つという展開。
かぎ爪の鎧の圧倒的な強さにやられそうになって倒れているヴァンが、巡ってきた人々を回想し最後にたどり着いた己の行動の原点、婚約者に思いが至ったとき、発動するバカの一念・・・・・・・・じゃなく、ヴァンがテラフォーミングマシーンを乗っ取ったってことみたいですが、これがヴァンのとぼけたセリフが挿入されていて非常にいい感じだ。
普段から飄々としているかぎ爪の男が、計画が潰えて、平素と変わらない様にみえてうわずった感じになるのがいい。声優さんがうまいんでしょうね。
機械を破壊され、しかしもう一度最初からやり直せると嬉しそうにさけびながら、ヴァンと戦うかぎ爪の男は、以前演出されていた裏切り者を抱きしめる行動と同じかな。
平静に見えて、はらわたが煮えくりかえっている、だけどそれは一切外に出さないけれども、微妙にそれが漏れ出て見えるという演出。
かぎ爪は天然じゃなく、思ったことを表に出さないでにこにこしているというキャラクターなんでしょう。
しかし、この基本的におちゃらけた物語世界にあって、ファサリナさんとミハエルくんの扱いが可哀想かも。理解不能な宗教には走っちゃった人々ということで、ちゃんとそれを精算できる物語を作らないといけない。精算の物語を作らずには、元の世界の物語にはもどしたくないし。って事だと解釈しております。
ミハエルくん、ウェンディの首しめちゃったりしてるし。
また、みんな助かって、みんな分かり合って、なんて展開(カルメンさんがファサリナさんと今にも親しげになりそうなカンジだったじゃないですか。)は非常にイヤだったので、この淡々とした退場は上手いと思った。
あと、かぎ爪の男にかわいがられていた犬が、自分の子犬たちを救助船にのせて、自分は崩壊必死のテラフォーミングマシーンに残り、雄々しく、かぎ爪の男への忠誠を全うしようとするのは、我先に逃げ出す崇拝者たちへの皮肉なんでしょうね。
結局、この物語にとっての宗教ってのはなんだったのか。正しくない何か、物語の大きな敵として初めからそこにあるようにしか見えなかったのは、非常に残念でした。
ラスト、毎回、予告で流れていたウェンディの回想ナレーションは、ウェンディが記者を相手に話していた現在を演出していた入れ子構造であったことが判明。
そして、ウェンディの家と知らず、ヴァンがいつものバカ丁寧でぶっきらぼうな独特のノリ「すみません。水くれませんか。」と訪ねてきて、物語はハッピィエンドを示唆しつつ終わりを迎えるのでした。
しかし、ウェンディ、大きくなってもあの髪型、あの服装ってのはないんじゃないでしょうか。非常に不気味。やばいヒトにみえる。
○とまれこうまれ、ヴァンとウェンディの珍道中の前半が、この物語の一番よかったところ。中盤をなかったことにして、終盤の4話は、盛り上がっておもしろかったんじゃないでしょうか。
ヴァンとかぎ爪の男のキャラクターは非常に練られていてヨカッタ。だけど、かぎ爪を取り巻く人々と、ヴァンンを取り巻く人々が総じて書き割り状態で残念。
SF的小道具と設定が十分に生かし切れていないのももったいない。
◇以下メモ。
まだ優勢の時の、かぎ爪の男の真面目なんだかからかってんだか分からない得心。「そうか、分かりました。君はつまり、バカなんだ。」「そうかぁ、これがバカというものなんだ。ああ、バカよ、バカ、バカ。愛しきバカよ。」毎度ながら味がある。
やられて意識朦朧のヴァン。ウェンディの面影を思い出し「あ、こいつ覚えているかなちゃんと・・・」
「お嫁さんってのは幸せで幸せで幸せの絶頂の時で・・・エレナぁ」亡き花嫁の面影を見て、バカが発動するのでした。
そのヴァンのバカの発動についての技術者の解説「オーバーフロー、おそらく欠番メンバーはもともと改造などしなくても動かせる力があったとしか・・・・」「マザーの技術と新たな可能性の融合・・・・・・・」結局よく分かりません。
機械を破壊され計画が頓挫してかぎ爪「このままでは計画が水泡に。どうしてあなたはこんなことを。どうして・・」
それにこたえてヴァン「きまってんだろ。それはな、おまえがオレをおこらせたからだぁ」というバカというキャラクターを貫き通すセリフ。
「やりなおしです。計画を最初からやりなおします。」「わたしはうれしい。また皆さんと計画を遂行できるとは」「これもバンくんのおかげす。」「彼を新計画にとって最初の友人として迎えたいとおもいます。」
「全計画に欠けていたファクター、バカ代表としてヴァンくん。ありがとうありがとうありがとう。」
・・・・・バカ代表。